学科	メディア学科	ゼミ教員名	渡辺　武達	年度	2008年度
タイトル	テレビドラマに描かれる女性の研究―ジェンダーの視点からー

内容

歴史上女性は弱く、メディアの中での女性の描かれ方においても、良妻賢母的固定イメージが描かれることが多かった。そういった現状は、この数年大きく変化し、メディアは働く女性を描き始めた。この数年のメディアの中の女性像の変化を、テレビドラマを研究対象にして考察する。 これまでのテレビドラマでは、職業を持つ女性も多かったが家庭生活が中心であったため「家庭の中の女性」が強調された。最近のテレビドラマでは、職場での女性を描くドラマが増えている。この変化は女性を固定的な女性像を打ち壊すことに成功したが問題点も持つ。働く女性を美化しがちな点、男性や家庭に生きる主婦が軽視される点、シングルマザー＝自立した女性として描く点などが問題点である。確かに、描かれる女性像は大きく変化したものの、ある一定の女性像を理想の固定イメージとして配信するメディアの体質は変わらないのである。メディアは男女にとらわれず自由に生きられる価値観に貢献すべきである。また、ジェンダーとメディアを研究する中で、メディアがあるべき理想像ばかりを創出するのではなく、企業としての側面を考慮し現実的な解決策を提示していくことが必須である。

講評	私のゼミではメディアと社会の関係に特化した卒論を書くように指導しているが、おおむね現代社会のメディア状況を分析するという視点だけは整ったものが提出された。今後の課題は変化の激しいメディアの技術論に惑わされない人間の情報活動とそれを背後から操る社会内在的論理に肉薄し、生命の長い文章にまとめる努力の結果が反映された卒論が書けるように指導していきたい。

キーワード1	視聴率
キーワード2	ジェンダー
キーワード3	テレビドラマ
キーワード4
キーワード5