学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 渡辺 武達 | 年度 | 2010年度 |
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タイトル | ドキュメンタリーの社会的役割 ~日航機墜落事故から考える~ |
内容 | 記録映像・記録映画と呼ばれるように,事実だけをありのままに映しだすドキュメンタリー。そこから派生するように生まれ,ドキュメンタリーでもドラマでもない新しい形を確立させたドキュドラマ。まずは,様々なドキュドラマを考察する中で,ドキュドラマの最大の存在意義は,「ドキュメンタリーの序章となり得る」というところにあると考えた。研究の素材として選んだのは,1985年8月12日に起こった日航機墜落事故を扱った作品である。『クライマーズ・ハイ』や『沈まぬ太陽』は,事故を知らない私に,何とも残酷な悲劇を伝え,もっと知りたい・知らなければならないとドキュメンタリーや事故に関する本へと導いた。まさにドキュドラマが序章となったのである。 それでは,ドキュメンタリーそのものの社会的役割とは何か。この研究は,徐々にドキュメンタリーの枠を超え,メディアの社会的役割をも考えさせてくれた。その結果,「被写体の思いを2.5人称の視点を持って代弁すること」,「縦の役割と横の役割の双方を全うすること」,そして「事実を可視化し,問題を提起し,行動を誘発すること」という3つの結論に辿り着いた。 |
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講評 | メディア学科のキーワードは①メディア②コミュニケーション③ジャーナリズムで、それらは学部から大学院博士課程後期まで共通している。つまり、情報のやりとりであるコミュニケーション過程の研究を通して社会の民主化に貢献するためのいとぐちをつかむことがメディア学の最終目標である。私のゼミではメディアと社会の関係に特化した卒論を書くように指導しており、今年も、現代社会のメディア状況を分析するという視点をもったものが提出された。今後の課題は変化の激しいメディアの技術論に惑わされない人間の情報活動の在り方についてその根源をえぐる問題にアプローチできるようにすることである。学生たちが情報流通の背後にあるビジネス論理と人間の幸せを同時に追求できるようになれば、さらに実りある卒論になるであろう。 |
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キーワード1 | 社会的役割 |
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キーワード2 | ドキュドラマ |
キーワード3 | ドキュメンタリー |
キーワード4 | ファクション |
キーワード5 |