卒業論文詳細

学科教育文化学科 ゼミ教員名奥井 遼 年度2023年度
タイトルストリートピアノでの演奏が持つ意味とは
内容  近年、駅や空港など多くの場所で見かけるようになったストリートピアノ。先行研究では、ストリートピアノの歴史、日本における趣味観の変化とストリートピアノの関連が明らかにされていた。ただし、一人一人のストリートピアノ演奏の意義については、十分な議論がなされてこなかった。よって本稿では、そこでの演奏が、演奏者にとってどのような意味を持つのかを検討した。方法としては、ストリートピアノ演奏者へのインタビュー調査、およびストリートピアノの現場での観察調査を行い、その結果を分析した。結果として、ストリートピアノでの演奏は、①リラクゼーション、②承認の欲求の充足、③生涯音楽学習の実践、という3つの意味を持つことが分かった。
講評 ピアノの演奏といえばホール上に置かれたグランドピアノを想起するが、今日駅や街中に置かれるストリートピアノもまた注目されつつある。筆者は豊富なピアノの経験をもとに、街中にあるストリートピアノに対して人々がいかに関わろうとするのかに疑問を持った。調査のプロセスは決して平坦ではなかったが、ストリートピアノで演奏経験のある人を探してインタビューを行ったり、ストリートピアノの近くで定点観察を試みるなど、徐々にその調査方法を確立させていった。理論的な掘り下げとしては課題があるものの、得られた事例や語りから、演奏者たちにおけるストリートピアノの意味づけや、演奏者・観客のコミュニケーションに関して優れた考察を残した。
キーワード1 ストリートピアノ
キーワード2 リラクゼーション
キーワード3 承認の欲求
キーワード4 生涯音楽学習
キーワード5