学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 渡辺 武達 | 年度 | 2010年度 |
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タイトル | カルチュラル・スタディーズと視聴者分析 ~私たちはメディアとどう向き合うべきか~ |
内容 | カルチュラル・スタディーズという研究はいったいどのようにしてはじまったのか。 1950年代の英国で社会主義運動が力を失いかけ、政治的無関心を蔓延させているのがメディアだと当時の研究者たちは考えた。カルチュラル・スタディーズの創始者たちの研究に共通して言えることは、生活者としての「メディアの受け手」の思想を、生活者はどのようにして事実に対する意味づけと、各事実間の連関の解釈を行っていたのかという視点から描き出そうとしたことであろう。こうして彼らは、当時の英国社会に社会主義運動を蘇らせようとして思想運動を行ったのである。 その運動がカルチュラル・スタディーズとして今の研究に生かされている。私たちはある時代・社会の「受け手」が、日常生活を規定するさまざまな社会的条件の中で、どんなメディアにどんな形で接してどんな情報を受け取り、各事実及び事実間にどんな意味づけを行っていたのかを具体的に描き出すことで、メディアによって提供される今の当たり前から別の世界の可能性を探し出すことが必要なのではないだろうか。 |
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講評 | メディア学科のキーワードは①メディア②コミュニケーション③ジャーナリズムで、それらは学部から大学院博士課程後期まで共通している。つまり、情報のやりとりであるコミュニケーション過程の研究を通して社会の民主化に貢献するためのいとぐちをつかむことがメディア学の最終目標である。私のゼミではメディアと社会の関係に特化した卒論を書くように指導しており、今年も、現代社会のメディア状況を分析するという視点をもったものが提出された。今後の課題は変化の激しいメディアの技術論に惑わされない人間の情報活動の在り方についてその根源をえぐる問題にアプローチできるようにすることである。学生たちが情報流通の背後にあるビジネス論理と人間の幸せを同時に追求できるようになれば、さらに実りある卒論になるであろう。 |
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キーワード1 | 受け手 |
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キーワード2 | 事例研究 |
キーワード3 | 文化 |
キーワード4 | 歴史研究 |
キーワード5 |