学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 渡辺 武達 | 年度 | 2010年度 |
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タイトル | 戦争写真の持つ力とそれにともなう情報操作についての考察 |
内容 | 写真は、一種の芸術表現として使われてきた一方で、国家や権力者、報道機関の所有者などによって世論操作のための強力な手段としても利用されてきた。写真に何らかの情報操作を施し、真実を隠すこともしばしばあったのである。本論文では、そうした写真によって人々は事実に対して誤った理解を持ち、それが社会の質をも下げることになるということを、写真の中でも戦争写真を取り上げて検証した。映画『父親たちの星条旗』における有名な1枚の写真がどのようにして人々の愛国心を過激なものにさせたか、4つのポイントから考察するとともに、ベトナム戦争や湾岸戦争、イラク戦争など他の戦争の例も挙げ、情報操作された写真・映像についてアプローチした。結論として、そうした写真に対して我々はどうすればいいかということを、メディアリテラシーを挙げて具体的に説いていき、戦争写真との一つの向き合い方を提示した。 |
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講評 | メディア学科のキーワードは①メディア②コミュニケーション③ジャーナリズムで、それらは学部から大学院博士課程後期まで共通している。つまり、情報のやりとりであるコミュニケーション過程の研究を通して社会の民主化に貢献するためのいとぐちをつかむことがメディア学の最終目標である。私のゼミではメディアと社会の関係に特化した卒論を書くように指導しており、今年も、現代社会のメディア状況を分析するという視点をもったものが提出された。今後の課題は変化の激しいメディアの技術論に惑わされない人間の情報活動の在り方についてその根源をえぐる問題にアプローチできるようにすることである。学生たちが情報流通の背後にあるビジネス論理と人間の幸せを同時に追求できるようになれば、さらに実りある卒論になるであろう。 |
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キーワード1 | 戦争写真 |
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キーワード2 | 情報操作 |
キーワード3 | 父親たちの星条旗 |
キーワード4 | メディアリテラシー |
キーワード5 |