学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 柴内 康文 | 年度 | 2010年度 |
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タイトル | マス・メディア報道に現れる社会運動のダイナミクスに関する考察 -「1960年の日米安保条約改定をめぐる反対闘争」を一事例として- |
内容 | 本研究は、マス・メディア報道からうかがえる社会運動の分析を「イベント分析」の手法を用いて行った事例研究である。「1960年の日米安保条約改定をめぐる反対闘争」を対象事例の「社会運動イベント」として位置づけ、「フレーム概念」を分析上の鍵概念とし、運動戦術の変化を中心とした同運動イベントの動態を明らかにすることを試みた。作成した社会運動イベントデータは「1950年‐70年社会運動イベントデータ」と「1960年 安保反対闘争イベントデータ」の2種である。前者のイベントデータで戦後の社会運動の展開を俯瞰し、後者で安保反対闘争の展開を把握した。検討の結果、安保反対闘争では「発生期」、「拡大期」、「収拾期」のそれぞれの時期において運動全体に占める「要請運動」、「示威運動」、「啓発運動」の比重に差異が認められるとともに、「収拾期」に近付くにつれてマス・メディアの制度的報道が高まる傾向が確認された。 |
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講評 | 質疑を行いましたので、個別の講評は控えます。ここでは、質疑の意図について説明したいと思います。皆さんに自分の行ったことを手短に説明してもらった上で、わたしの感じた疑問についてうかがいました。そこではあまり手加減せず、皆さんを自説を持つ独立した主張者として扱ったつもりです。そのような経験もあまりなかったと思います。質問の中には、自分の扱った問題や手法が理解できているかを確かめるためにわざと行ったもの(的外れなものも含みます)や、おそらくはそこまでの深さで十分に考えて抜いてはこなかったものもあったと思います。懸命に自分なりの答えを出す中で、自分に何が明らかにでき、何がわからなかったのか、自説の限界は何かということに気づき、また向き合うことになったのではないでしょうか。 実は、長期にわたる卒論執筆という作業そのものがそのようなものだったのではと思います。最後の質疑を通じて、それをもう一度明確にしたかったというのがこちらの狙いです。もちろん、皆さんの論理はまだ不明確で、それに取り組む手法も未熟で粗いものです。しかし、実証的に何かを主張することがいかに困難であるかということ、そして、それを通じて語ることに価値があるのだということは確実にわかったのではないでしょうか。その経験こそが、社会で活躍する上での基礎となると、大学教育に携わる人間としては思います。一人一人が得たものを大事にしてください。 |
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キーワード1 | マス・メディア |
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キーワード2 | 社会運動 |
キーワード3 | イベント分析 |
キーワード4 | フレーム概念 |
キーワード5 |