内容 |
近年、ネットの台頭が叫ばれて久しい時代になっている。特に2011年の今年はそれを顕著に現す出来ごとが立て続けに起きた。例えば、尖閣諸島問題を巡って保安官がyoutubeにビデオ投稿したり、ジュリアン・アサンジがwikiリークスで公電を公開したり。また、原発事故以降、ニコニコ動画の健闘ぶりが凄まじい。しかし、そうしてネットの高まりが叫ばれるようになった一方で、問題も起きていることを忘れてはならない。私がそう強く思った出来ごとの一つに鉢呂元経産大臣の辞任報道がある。当時、既存メディアは彼の『死の町』『放射能つけてやろうか』発言をこぞって取り上げ、激しいバッシングを行った。だが、Twitterの反応を見てみると、『大した問題ではない』『揚げ足取りでしかない』などの指摘が飛びかっている。
世論の二分化を感じた。とは言え、ここまでは想定の範囲内であった。私の問題意識は、もっと先の情報へと向かっていく・・・。 この研究では、この鉢呂元経産大臣の発言(報道)にスポットを当て、既存メディアとネットでは当時それぞれどんな情報発信や反応がなされたのか、その違いやそれぞれが抱える問題点を明らかにして行くことにする。また、ネットメディアが既存メディアと共存していく為にはどうしたらよいのか考え、最終的に両方を繋ぐプラットフォームを提唱していくことを目的としたい。
|