学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 柴内 康文 | 年度 | 2011年度 |
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タイトル | SNS利用と自尊心の類型が孤独感に及ぼす影響 |
内容 | 現代の若者について「SNSなどのネットメディアの利用によってコミュニケーション能力が低下、孤独感が上昇している」「主体性に欠けやる気が乏しい」という評価がされがちである。しかしそれらは個別の問題ではなく、コミュニケーションのあり方が変わったことにより生まれた孤独感が、自己実現欲求の生起を抑制しているのではないだろうか。本研究では特に孤独感と関連の深い自尊心について、自己好意と自己有能感の2軸より4類型に分類し、それぞれの孤独感の差を検討した。 自己有能感が高く自己好意が低い「矛盾した自尊心」タイプにおいてより強く自己/他者評価間に差が生まれ、孤独感が強まると仮定したが、実際は自己好意の影響のみが認められ、自己好意が高いほど孤独感が低下するという結果が得られた。ただし、SNS利用頻度の影響を考慮した場合、自己有能感が高い人はSNS利用の影響を受けにくい傾向がみられ、自己有能感の高低が外的要因からの孤独感への影響度を規定する可能性が示唆された。 |
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講評 | 試問において質疑を行いましたので、個別の講評は控えます。試問では、まず論文の弱点がどこにあるのかについて自分なりの認識があるかどうか、その弱点をふまえても自説(検証の目的であった当初の仮説ではなく、分析・考察の結果引き出した結論)が維持できると考えているかどうかについて問いました。自分のウィークポイントは何かについて明確に認識していることは自説防御の出発点であり、またその事前検討によって、自説をさらに補強できるわけですから、「この論文を批判するとしたらどこになるだろうか」という目で自分の主張を検討するクセはつけてもらえればと思います。そのあたりの認識が十分でなさそうな人には、特に技術的な面での問題点を重点的に確認するようにしたので、そこではじめて気づいたこともあったかと思います。 技術面での質問以外では、同じ問題や結果を異なる角度、自分の置く前提や立脚点と異なる点から見るとどう考えられるか問いかけてみました。これについては、ピンと来なかったり何を言われているのかよくわからなかったりしたケースもあったのではないかと思います。それも無理ないことでしょうが、私としてはそれほど的外れなことを言ったわけでもないので、もし機会があったら反芻してもらえれば、いつか何かのヒントになることもあるかもしれません(どういう意図であったかについては言挙げして説明することはしません)。 長期間にわたって論理を組み立て、それを検証するという作業をするのは初めてだったのではないかと思います。論理を紡いでいくことの難しさ、浅い予想を裏切る現実のデータの振る舞い、調べれば調べるほど認識される「自分が何もわかっていない」ということなど、いろいろな経験をしたでしょう。そして、そのような困難と立ち向かいながら語ることが持つ貴重な価値も認識したはずです。それぞれ得ることのできた何がしかを、今後も生かしてもらえればと思います。 |
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キーワード1 | 孤独感 |
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キーワード2 | 自尊心 |
キーワード3 | 自己好意 |
キーワード4 | 自己有能感 |
キーワード5 | SNS利用 |