内容 |
昨今の不況の影響を様々な業界がうける中、今もなお成長を続けているファッションビル、ルミネの成功の理由を広告から分析していく。ルミネがターゲットとするのは「ファッション感度が高い20~30代のキャリア系の女性」である。30代女性はバブル経済期を経験してはいるが、社会に出る時期にバブルが崩壊し、就職がなかなか決まらず苦しい経験をした人が多い世代であった。また結婚をしていても働いている女性が多いのもこの世代の特徴である。20代女性も同じく不況の中で育っている。また「ゆとり世代」とよばれ、この世代は物質的にも豊かで効率的なことを好み、自己価値を高めたいという意識を強く持つのも特徴である。彼女らに共通する価値観は、不況の煽りからくる「自己成長への強い意欲」、「不完全なものへの共感、好意」、そして女性の社会進出と男性への期待の薄れからくる「自己愛(ナルシスト)の肯定」があると考えられる。
これらの要素を博報堂の尾形真理子のキャッチコピー、蜷川実花の撮影するビジュアルに取り入れることで、働く現代女性の共感を得ている。以上のように、現在のファッションビルは中の店舗や作りが似通っているものが多く、この広告によって働く現代女性へ強い印象を残し、他のビルとの差別化をしたことで成功したと考えられる。 |