内容 |
私はSMAP、特に2000年の木村拓哉の結婚騒動における2ちゃんねるでのファンの反応を観察しながら、ジャニーズ系アイドルファンの心理を分析した。ジャニーズファンは、従来の「ここではないどこか」に思いを馳せるスターファンとは違い、「今、ここ」におけるアイドルとの関係性に満足を得ている。アイドルを身近に考えるファンが多くなるにつれ、アイドルの「ホンネ」と「タテマエ」を混合してしまい、結婚を受容できないファンが多いといえる。ジャニーズファンには、「担当」や「同担」など独特の言葉を用いて他のファンと交流するという特徴があり、「担当」のアイドルとの関係性と同じくらい、他のファンとの交流を大事にしている。しかし、全てのファンと交流するわけではなく、時には「同担」を排除しながら仲間の輪を広げるジャニーズファンも少なくない。これは、「担当」のアイドルに対して恋愛感情のようなものを抱いているだけではなく、自身を「担当」と同化させているからであり、このことから「担当」の交際相手や結婚相手を批判する理由も説明できる。また、結婚したあとも滅多にテレビドラマなどで父親役を演じることなく、ひとりの男性としてメディアに登場する木村拓哉は、結婚しても仕事をし続けてほしいという女性の願望の表れであると考える。 |