学科 | 教育文化学科 | ゼミ教員名 | 奥井 遼 | 年度 | 2023年度 |
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タイトル | 支援者としての成長を通して抱くやりがいや悩み―障害児支援ボランティアサークルSの事例から― |
内容 | 本稿では障害児支援ボランティアサークルの学生を対象としたインタビュー調査を基に、学生のやりがいや悩みに関する考察を行った。具体的には福祉職のバーンアウト研究を踏まえ、「子どもとの関わり」および「組織運営」の両面に着目した。考察の結果、障害児支援で生じる問題に対する捉え方は、必ずしも一様というわけではなく、むしろ学生の活動歴に応じてダイナミックに変化していくことが明らかになった。組織運営では、サークルでの役割を肯定的に受け入れることが、サークルに対する愛着の芽生えや所属感の向上を促していた。また経験を積んだ上級生が役割交代に伴って立ち位置を消失し、サークルからの離脱が加速するという大学生サークルの構造上の課題も明らかになった。以上より、既存のバーンアウト研究に対して、活動歴に応じたやりがいや悩みの質の変容という観点や、大学生のバーンアウトのリスクといった観点を新たにもたらすことが期待される。 |
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講評 | 筆者が学生生活の多くの時間を割いて取り組んだ子ども福祉活動の経験をもとに、関係者への丁寧な聞き取り調査を行なった労作である。福祉現場がしばしばバーンアウトのリスクを背負い込むことの背景は様々に議論されてきたが、筆者は、新人には新人なりの、ベテランにはベテランなりのやりがいや悩みがあることに目を付けた。その上で、それらを単に個別の経験と見なすのではなく、必然的に生じうる構造的な問題として描き出した。サークル活動である以上、活動の多くが学生のモチベーションに依存するとはいえ、社会的責任が問われる現場として、サークル側からの要求も多い。以上の着想を持ちながら、学生たちの生き生きとした語りを丁寧に分析し、これまで十分に注目されてこなかった経験の変容を描き出したことはもちろん、バーアウトの他にも、居場所のなさやフェードアウトといった構造的な問題に新たに光を当てた点も評価される。 |
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キーワード1 | 支援者支援 |
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キーワード2 | 障害児支援 |
キーワード3 | バーンアウト |
キーワード4 | モチベーション |
キーワード5 | 学生ボランティア |