内容 |
マンガ家よしながふみの作品の共通点に、ゲイキャラクターが登場することを挙げることが出来る。少女マンガ誌や青年マンガ誌と、活躍する掲載誌のジャンルも広く、映画やドラマと、メディア化も多く、対象読者層が幅広い。男性同士の恋愛を描くBL(ボーイズラブ)というマンガのジャンルがあり、一部の女子層に支持を得ているが、よしながの作品はBLとは違い、多数の読者層の支持を得ているのは何故なのだろうか。一章では、よしながの著書より何故ゲイが描かれるのか発言を抜き取り、よしながの描くゲイが、BL作品に見られるゲイとは違うことを明確にするため、BL論を取り上げた。二章では、よしなが作品の面白さの根底には、少女マンガの黄金期を築いたとされるマンガ家達の総称「24年組」の影響があるとして、その影響を記述した。三章では、三作品(『西洋骨董洋菓子店』、『大奥』、『きのう何食べた?』)を取り上げ、作中でのゲイキャラクターの描か方や、多数の読者の支持を得ている魅力等を考察した。BLとは違い、他者との関わりの中で生きる現実的なゲイを描くことや、様々な立場のキャラクターを多く描くことで、男女問わず読みやすく、支持される作品となっていた。 |