卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名渡辺 武達 年度2013年度
タイトルテレビドラマのこれからの可能性~『半沢直樹』『あまちゃん』を用いて~
内容 『半沢直樹』と『あまちゃん』の人気に拍車をかけたとして、テレビとネットの融合が注目された。しかし視聴率への実際の影響は微々たるものであった。これまでもあらゆる取り組みがされてきたが、失敗したものが大半であった。なぜならネットのヘビーユーザー層はサラリーマンや学生であるのに対して、今日のテレビの主な視聴者層は高齢者であり、彼らにネットの駆使を求めるのは不可能に近いからである。では、今後テレビドラマはどのようにして生き残っていくべきなのだろうか。それは人々の「話のタネ」という存在になることである。テレビドラマを人々の会話の円滑剤として、存在意義を高めていくという可能性を考えた。その際に、この10年で平均視聴率が20%を超えたテレビドラマ作品から共通する点を考察したところ、現実では起き得ないストーリー展開とキャスティングより内容重視の作品が人気を得ていることに気付いた。テレビドラマを視聴者の生活の参考にしていた1990年代とは違い、現代は現実を忘れ、別世界へ感情移入し、楽しむことができるような作品や、心の癒しとなるような作品を視聴者が求めていることが、この研究から考察できた。
講評 『半沢直樹』と『あまちゃん』という2014年度を代表する人気ドラマを分析し、今後のテレビドラマの生き残り策を考え、その答えを視聴者の高齢化現象と併せ考えると、ドラマが人々の「話のタネ」になるという要素を組み込む必要があることに求めた。つまりテレビドラマが人々の会話の円滑剤になるということだが、そのヒントをこの10年で平均視聴率が20%を超えたテレビドラマ作品に共通している要素として存在していることから得た。また、心の癒しとなるような作品を視聴者が求めていることにも注目した。書き方にやや強引なところがあるが、合格点はクリアしている。
【2013年度生全体への講評】
私、渡辺武達担当の2013年度卒業論文提出者は全25名で、全員の卒論が①提出期限、②テーマとキーワードの設定、③構成、④内容、⑤字数などの各条件を満たし、メディア学科生の研究成果として合格点に達していたと判断した。また提出後のゼミ恒例卒論相互批判会にも全員が出席し、4時間にわたり十分な議論を行ったので、同志社大学社会学部メディア学科卒業生として認められる勉学成果を挙げたものであると認定した。しかし提出にいたるまでに問題がなかったわけではない。その第1は、年々、就職活動期間が長引くようになり、3回生秋学期から4回生秋学期前半まで卒論準備に十分な時間をかけることが出来ない学生が大半であったことである。これは大学だけでは解決できない問題を含んでいるが日本社会の教育環境確保という点から危惧すべき状況があるということである。第2に、その結果、卒論執筆完了が遅くなり、指導教授による添削時間が充分に取れず、きめ細かな指導が満足のいける程度まですることが叶わなかった状況が生まれているということである。しかしそうした厳しい環境にもかかわらず、卒論ゼミ登録学生はよく頑張ったと思う。
キーワード1 テレビ離れ
キーワード2 社会関係の潤滑化
キーワード3 テレビとネットの融合
キーワード4 SNS
キーワード5