学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 渡辺 武達 | 年度 | 2013年度 |
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タイトル | オウム真理教とメディア |
内容 | 日本人の多くは仏教に親しみを感じているとはいいながらも無宗教のようなものである。一方で、創価学会などに代表されるように自ら宗教団体に入会する人もいる。そういった宗教団体の中でも、本稿では私たちが生まれた当時に全盛を誇り、大きな犯罪をいくつも起こしたオウム真理教とその布教媒体であるマスメディアとの関係について研究した。それまでの新興宗教とは違い、いわゆるエリートたちが麻原彰晃の下に集い、その布教活動において情報化社会の強みを生かしたことについて、まずは他宗教との比較を交えながら考察した。また、なぜ人々が宗教に救いを求めるか、その中でもなぜオウム真理教に救いを求めたかについて、オウム真理教の特殊性とともに述べている。さらには、オウム真理教側からだけのメディア利用ではなく、メディアはどのようにオウム真理教を報道したか、そこにどのような問題があったか、オウム真理教が解体しAleph、光の輪となった現在、メディアはどのように新たな宗教犯罪の防止に努めるべきかについて考察している。 |
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講評 | 筆者は日本人独特の何でも受け入れやすい宗教観のなかで信者の帰依の仕方が特異かつ深く、現在もカタチを変えながらも実態はそのようである「オウム真理教」に注目し、布教媒体として利用したマスメディアとの関係を考察した。また人びとがなぜそうした反社会的宗教に救いを求めたかについても検証し、さらには後に糾弾されるオウム真理教を当時のメディアはどのように報道したか、教団がAleph、光の輪となった現在、メディアはどのように宗教犯罪の防止に努めるべきかについても検討した。メディア学科の卒論として高く評価できるものである。 【2013年度生全体への講評】 私、渡辺武達担当の2013年度卒業論文提出者は全25名で、全員の卒論が①提出期限、②テーマとキーワードの設定、③構成、④内容、⑤字数などの各条件を満たし、メディア学科生の研究成果として合格点に達していたと判断した。また提出後のゼミ恒例卒論相互批判会にも全員が出席し、4時間にわたり十分な議論を行ったので、同志社大学社会学部メディア学科卒業生として認められる勉学成果を挙げたものであると認定した。しかし提出にいたるまでに問題がなかったわけではない。その第1は、年々、就職活動期間が長引くようになり、3回生秋学期から4回生秋学期前半まで卒論準備に十分な時間をかけることが出来ない学生が大半であったことである。これは大学だけでは解決できない問題を含んでいるが日本社会の教育環境確保という点から危惧すべき状況があるということである。第2に、その結果、卒論執筆完了が遅くなり、指導教授による添削時間が充分に取れず、きめ細かな指導が満足のいける程度まですることが叶わなかった状況が生まれているということである。しかしそうした厳しい環境にもかかわらず、卒論ゼミ登録学生はよく頑張ったと思う。 |
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キーワード1 | 新興宗教 |
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