学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 渡辺 武達 | 年度 | 2013年度 |
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タイトル | Public Affairs of the Japanese Self-Defense Forces: Pop Culture Collaborations and Their Implications[日本語タイトル]自衛隊の広報戦略ーポップ・カルチャーとの共作とその意義ー |
内容 | 日本の自衛隊とはすなわち陸上自衛隊・海上自衛隊・航空自衛隊から構成される日本の軍隊であり、世界において極めて異例の存在である。日本国の憲法において「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」(憲法第九条)と定められているのにも関わらず世界でも有数の防衛費をもって自衛隊は存在し続けている。この状況は自衛隊における広報戦略にとって特別困難な障害となっている。自衛隊は憲法のあいまいな解釈によって成り立っているにも関わらず国民との関係作りに励む一方で、国を守るための充分な軍備を保つことが求められている。さらに、自衛隊は過去には緊急事態の時だけ注目を浴び、平時には「日蔭の存在」であった。しかし、この十年で自衛隊の人気は急上昇した。その理由は様々で、国際情勢や自然災害、そして軍事愛好家の増加などが理由に挙げられる。保守的な日本政府が自衛隊に新たな能力を与えようとする動きの中、自衛隊とそのイメージは現在非常に重要になってきた。これらの状況を踏まえ、本論文では自衛隊の広報戦略、世論との関連、そして市民が防衛や自衛隊に関する情報とどうやって向き合うべきか、という視点から研究を行う。 |
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講評 | 日本の自衛隊(The Japanese Self-Defense Forces: JSDF)は憲法で「陸海空の軍隊は保持しない」との規定があるにもかかわらず、世界的にも巨大な予算に支えられた不思議かつ実質的な「軍事力」である。米国へ留学した筆者はその点を日本政府と国民、そして自衛隊自身はどのようにクリアしているかを、自衛隊の広報体制から解明しようとした。具体的には近年の国際環境・自然災害救助・軍事オタクの増加…といった視点から考察し、自衛隊とその政治的支援者たちがいかに国民からの支持を得ようとして努力〓工作しているかを具体的に論じた。論文は英語で書かれ、論旨もしっかりしており、国際的な地平でもメディア学科の卒論として通用するすぐれたものである。 【2013年度生全体への講評】 私、渡辺武達担当の2013年度卒業論文提出者は全25名で、全員の卒論が①提出期限、②テーマとキーワードの設定、③構成、④内容、⑤字数などの各条件を満たし、メディア学科生の研究成果として合格点に達していたと判断した。また提出後のゼミ恒例卒論相互批判会にも全員が出席し、4時間にわたり十分な議論を行ったので、同志社大学社会学部メディア学科卒業生として認められる勉学成果を挙げたものであると認定した。しかし提出にいたるまでに問題がなかったわけではない。その第1は、年々、就職活動期間が長引くようになり、3回生秋学期から4回生秋学期前半まで卒論準備に十分な時間をかけることが出来ない学生が大半であったことである。これは大学だけでは解決できない問題を含んでいるが日本社会の教育環境確保という点から危惧すべき状況があるということである。第2に、その結果、卒論執筆完了が遅くなり、指導教授による添削時間が充分に取れず、きめ細かな指導が満足のいける程度まですることが叶わなかった状況が生まれているということである。しかしそうした厳しい環境にもかかわらず、卒論ゼミ登録学生はよく頑張ったと思う。 |
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キーワード1 | Japanese Self-Defense Forces |
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キーワード2 | military |
キーワード3 | public affairs |
キーワード4 | pop culture |
キーワード5 |