学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 佐伯 順子 | 年度 | 2014年度 |
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タイトル | 専業主婦ヒロインの人気からみる現代の女性を取り巻く環境 |
内容 | 近年「働く女性」が増え、家庭においても「主夫」という言葉が浸透するほど男女間での職業的差別はなくなってきている。そんな中で、ヒロインが「専業主婦」である、2010年度のNHK連続テレビ小説として放送された「ゲゲゲの女房」が高視聴率を記録し、人気を博した。NHK連続テレビ小説のヒロインが専業主婦である作品は、この作品が初めてである。ドラマの人気を視聴者である現代の人々の声ととらえ、「ゲゲゲの女房」が高視聴率を得た理由を探ることで、現代に生きる人々の「理想の女性像」がどのようなものであるかを明らかにするため研究を行った。女性の社会進出を進める国をあげた政策も進められ、働く女性が増える中で、職業に就くヒロインではなく、家庭や夫を支える「専業主婦」のヒロインが人々の心をつかんだ理由を、ドラマ自体から要因を探る観点と、「社会」の動きを含めた視聴者側から要因を探る2つの観点から探り考察した。 |
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講評 | この学年の佐伯ゼミでは、テレビ・ドラマ分析を中心に学習した結果、映像メディアをテーマにした卒論が全十八名のうち十二本と、最も多かった。最新のディズニー映画やアメリカ映画の人気シリーズ、ホラー映画、宮崎アニメ、米国、韓国、日本のテレビ・ドラマと、国際色豊かで多彩な研究テーマが含まれ、作品、作家研究を中心とする傾向のある美学、芸術学的なアプローチとは異なる、社会的、歴史的背景との関連性を視野に入れた研究となっていることが、本学科ならではの成果といえる。中国からの留学生が米国ドラマにおける「おたく」の概念を分析したり、韓国人留学生が日韓のテレビ・ドラマを比較したり、日本人学生が米国映画におけるアメリカ社会の心性の歴史的変化を明らかにするなど、同志社の国際主義にふさわしいグローバルで比較文化的な達成点を得ることができたことは意義深い。ジェンダーの観点から日本のテレビ・ドラマを分析した研究も、指導教員の専門分野を忠実に学んでくれた成果として評価できる。 ニコニコ動画やテレビゲームと、近年のメディアの多様化を反映したテーマも、同時代の研究として重要であり、ゲーム研究にも日米比較という国際比較の観点が含まれていることも貴重である。バラエティ番組をテーマにした卒業論文が二本含まれていることも、娯楽的コンテンツが学術的研究に値する対象であることを示した、メディア学科ならではの成果といえる。 アイドル研究もポピュラーカルチャー研究として独自の視点をみせ、さらに、旧来のメディアの送り手/受け手という二分法が現代のメディア環境においていかに相対化されているかを、理論的先行研究および最新の具体的事例を通して分析した研究は、メディア理論という硬派な要素をとりこんだ独自の成果であった。 新聞学の歴史を継承する活字メディアの分析としては、政治的、外交的な重要課題をめぐる新聞各紙の比較、スポーツ雑誌にみるヒーロー像、日独の女子サッカー報道の比較、女性ファッション誌についての分析があり、ここでも、留学経験を生かした国際的視点や、雑誌、新聞記事の丹念で実証的な分析が際立っていた。 全体として、国内研究中における隔週指導という変則的なゼミ形式でありながらも、優秀な論文がそろったことは、ゼミ生の謙虚な研鑽の結果として大いに評価できる。 |
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キーワード1 | 専業主婦 |
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キーワード2 | 朝ドラ |
キーワード3 | 『ゲゲゲの女房』 |
キーワード4 | 女性 |
キーワード5 | 高視聴率 |