学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 佐伯 順子 | 年度 | 2014年度 |
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タイトル | 魔法の世界へー宮崎アニメが伝えたメッセージ |
内容 | 論文は宮崎アニメを中心として研究する。「アニメ二おける少女像」、「物語が強い、異世界との接触」、「アニメにおける魔法」、「対立から共生へ」四章を分けて説明した。 「アニメにおける少女像」は一般的日本アニメに登場する少女主人公と宮崎アニメに登場する少女を比べながら、違う点を見つける。そして、なぜ違うか、作者は何を伝えたいのかを分析する。その結論は宮崎アニメの少女たちはとても自己主張が強く、自立心に富んでいることが一つの特徴である。また、「女性」という性別を超えて、外観的な美しさより、心の美を重視するのはもう一つの特徴である。宮崎アニメの中の少女はことのほか自立心があり、行動的で、彼女たちの前に立ちふさがるさまざまな障害に対して「男まさり」というステレオタイプな表現ぴったりの振舞で果敢に立ち向かってゆく。読者がわかり易いため、アニメの代表的のシーンを使って分析を展開した。 「物語が強い、異世界との接触」は異世界を中心に分析した。『千と千尋の神隠し』、『崖の上のポニョ』、『天空の城ラピュタ』この三つのアニメを分析し、共通点を見つける。アニメの登場人物、動物、背景の多様化でアニメの物語性が強くなることがわかった。 「アニメにおける魔法」では、名前の魔法、変身の魔法そして飛べる魔法という三つの点から分析した。名前=自分の理念を使った。変身の意味、飛べる意味を問い続けて分析を展開した。 「対立から共生へ」は『となりのトトロ』と『もののけ姫』を例として分析した。人間と自然と動物たちがお互いに理解し、共生する理念を求める。 |
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講評 | この学年の佐伯ゼミでは、テレビ・ドラマ分析を中心に学習した結果、映像メディアをテーマにした卒論が全十八名のうち十二本と、最も多かった。最新のディズニー映画やアメリカ映画の人気シリーズ、ホラー映画、宮崎アニメ、米国、韓国、日本のテレビ・ドラマと、国際色豊かで多彩な研究テーマが含まれ、作品、作家研究を中心とする傾向のある美学、芸術学的なアプローチとは異なる、社会的、歴史的背景との関連性を視野に入れた研究となっていることが、本学科ならではの成果といえる。中国からの留学生が米国ドラマにおける「おたく」の概念を分析したり、韓国人留学生が日韓のテレビ・ドラマを比較したり、日本人学生が米国映画におけるアメリカ社会の心性の歴史的変化を明らかにするなど、同志社の国際主義にふさわしいグローバルで比較文化的な達成点を得ることができたことは意義深い。ジェンダーの観点から日本のテレビ・ドラマを分析した研究も、指導教員の専門分野を忠実に学んでくれた成果として評価できる。 ニコニコ動画やテレビゲームと、近年のメディアの多様化を反映したテーマも、同時代の研究として重要であり、ゲーム研究にも日米比較という国際比較の観点が含まれていることも貴重である。バラエティ番組をテーマにした卒業論文が二本含まれていることも、娯楽的コンテンツが学術的研究に値する対象であることを示した、メディア学科ならではの成果といえる。 アイドル研究もポピュラーカルチャー研究として独自の視点をみせ、さらに、旧来のメディアの送り手/受け手という二分法が現代のメディア環境においていかに相対化されているかを、理論的先行研究および最新の具体的事例を通して分析した研究は、メディア理論という硬派な要素をとりこんだ独自の成果であった。 新聞学の歴史を継承する活字メディアの分析としては、政治的、外交的な重要課題をめぐる新聞各紙の比較、スポーツ雑誌にみるヒーロー像、日独の女子サッカー報道の比較、女性ファッション誌についての分析があり、ここでも、留学経験を生かした国際的視点や、雑誌、新聞記事の丹念で実証的な分析が際立っていた。 全体として、国内研究中における隔週指導という変則的なゼミ形式でありながらも、優秀な論文がそろったことは、ゼミ生の謙虚な研鑽の結果として大いに評価できる。 |
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キーワード1 | 少女 |
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キーワード2 | 異世界 |
キーワード3 | 魔法 |
キーワード4 | 対立 |
キーワード5 | 共生 |