卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名渡辺 武達 年度2014年度
タイトル災害に対する自治体広報の役割について~神戸市行政広報活動・神戸の地域メディアを中心に~
内容 神戸市の行政広報活動・神戸の地域メディアを中心に、自治体広報課が発行した著作や災害情報に関する文献の知見を交えながら、災害に対する自治体広報の役割とは何かについて自説を展開していく。第1章では神戸の災害の歴史と神戸市がどのような対策をしてきたのかを広報係の仕事を中心に述べる。第2章では阪神淡路大震災での自治体広報課の対応と問題、地域メディアとの連携を考え、第3章では阪神淡路大震災から東日本大震災という2つの災害を経て発展したコミュニティFM、ソーシャルネットワークサービス(以下SNS)の災害対応メディアとしての可能性について述べていく。第4章で自治体広報が災害対応に関してどのような時期にどのようなツールでどのように情報発信をしていけば良いのかということを災害の時間軸や災害耐性、メディアの機能を考えながら整理する。そして第5章で「災害を風化させないこと・未来に伝えていくこと」という考察を加えてこれからの未来という形でまとめる。筆者は災害に対する自治体広報の役割とは「自助・共助・公助の取り組みを促進・発展させる情報発信機関」であるととらえ、様々な災害対応メディア、特にコミュニティFMやSNSを災害の時間軸に従って適切に組み合わせることでその役割を果たすことができると信じ、地方自治体の災害対応にとって、自治体広報が重要な1手段であることを示した。
講評 2014年度も広島の土砂災害、岐阜県/長野県の御岳山噴火他、日本各地で大きな被害が相次いだ。3年前の東日本大震災の経験を基に各自治体にかなりの防災体制の拡充が行われるようになってきている。筆者は1995年に大被害を出した神戸市に居住していることもあり、本論文も神戸の地域メディアを中心に市役所の広報活動や災害情報に関する文献の知見を交えながら、災害に対する自治体広報の役割とは何かについて検討した。さらには、神戸・淡路大震災を概観しながら自治体広報課の対応と問題、地域メディアとの連携を考え、それ以後に発展したコミュニティFM、ソーシャルネットワークサービス(SNS)の災害対応メディアとしての可能性についてもその有用性を検証した。「減災」について考えたすぐれた論文であり、メディア学科の卒論に値する。
キーワード1 公正・中立
キーワード2 自助・共助・公助
キーワード3 自治体広報
キーワード4 ニューメディア
キーワード5 防災・減災