卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名渡辺 武達 年度2014年度
タイトル防災・減災情報発信の研究~自治体の住民保護の観点から~
内容 本論文では、災害時の自治体による情報発信のあり方について、過去の災害事例や各被災自治体資料をもとに分析・研究し、その研究結果をもとに、災害時における自治体による防災・減災情報の発信のあり方について、自治体の住民保護の観点から考察した。研究方法としては、まず初めに我々の住む京都の災害事例について課題と解決策を考察する。その後、災害が地域や我が国全体に及ぼす影響について言及し、広島県土砂災害、東日本大震災から我が国のこれからの災害対策を考察する。最後に、インターネットを通した災害対策、SNSを利用した情報発信の課題について述べ、災害時における情報発信のあり方を研究した。自治体は情報通信ネットワークによる情報提供を積極的に進め、情報伝達手段の多重化・多様化を図る必要があり、1つの情報が複数の媒体に提供できる連携の仕組みを構築しておくべきである。災害時には、どのような情報を、どのタイミングで提供するかが重要であり、また、その形式も重要である。新たな民のちから(SNSなど)を取り入れる形で、平時から自治体は情報システムの運用を図るべきであり、そのためにもBCPガイドラインの見直し、国の情報行政全般を見直す必要がある。災害時において、住民の安全の確保を図るため、国や地方公共団体から住民に対して、災害関連情報を確実かつ迅速に伝達することは極めて重要であるとの考えに至った。
講評 筆者は災害と情報について研究し、大災害に際してはそれぞれのメディアの特長を生かした救援情報提供手段の確立が必須であるとの結論に達した。一般的に、紙媒体の新聞、電波依存のテレビやラジオのうち、テレビは停電時にほとんど使えないが,ラジオは乾電池での利用がある程度まで可能であり、どこの災害でも緊急時のラジオの効用が指摘されている。大事なのはそれぞれのメディア特性の把握と普段からそれぞれの利用の仕方に習熟おくことである。それらの点を論証した論文はメディア学の卒論としてふさわしいものである。
キーワード1 安心・安全
キーワード2 災害
キーワード3 自治体
キーワード4 住民保護
キーワード5 防災・減災情報