卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名渡辺 武達 年度2014年度
タイトル娯楽番組の中の”バラエティ番組”のあり方~一億総博知化への道~
内容 今日、最もゴールデンタイムのテレビを彩っているのは間違いなく「娯楽番組」である。19時から24時にかけて、曜日ごとに毎日固定の視聴番組を定めている人も少なくないのではないだろうか。視聴者に笑いや癒しを提供し、日常への活力となり得る娯楽番組だが、批判の対象となることも否定できない。そこで、娯楽番組の中でも「バラエティ番組」に着目し、草創期といわれる1960年代、1970年代からは『8時だョ!全員集合』を、テレビというものが成熟し始めた1980年代からは『オレたちひょうきん族』を取り上げ、分析する。大宅壮一氏の論じた「一億総白痴化論」にも言及しながら、バラエティ番組が批判対象たるゆえんを模索する。さらに衆議院議員が問題視した「NHKの民放化」の直接の原因もこのバラエティ番組にあると考え、近年NHKが多く制作するコント番組などをいくつか取り上げて検証する。視聴率本位の番組制作が番組の質の低下を招いているという事態を証明した。“笑い”と“白痴”の境界線はどこにあるのか。批判の対象とならないバラエティ、娯楽番組というものを考察し、これからの番組がより良い方向に進むことを願う。
講評 教育学者の西本三十二はその著『テレビ教育論』(日本放送教育協会、1960年刊)で、テレビの有効利用は日本人を「博知化」するという主張した。これはその前に大宅壮一が『週刊東京』1957年2月2日号で、一億総「白痴化」としてテレビのエンタメ番組を批判したことに対する対抗的表現でもあるが、筆者の論文はテレビが「白痴化と博知化の間を揺れ動いている部分に着目してテレビ番組の教育効果の可能性を検討した。メディア学科卒業論文として適切な論文として評価できる。
キーワード1 一億総「白痴」化
キーワード2 お笑い
キーワード3 テレビ
キーワード4 バラエティ番組
キーワード5