学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 池田 謙一 | 年度 | 2014年度 |
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タイトル | インターネット利用によるマスメディアの不祥事事例への意識 |
内容 | YahooやGoogleなどのポータルサイトからブログ、掲示板、You tubeなどの動画投稿サイト、SNSといった様々な情報コンテンツの利用によってテレビ、新聞、雑誌といったインターネット普及以前には見られなかったマスメディアの「影」が発現されてきたと私は考える。今回の研究ではそのようなマスメディアのネガティブなイメージを持つことに対してインターネット利用の影響があるのかということを調査した。具体的なテレビ、新聞、雑誌など既成メディアの不祥事や疑惑がある事例を5つ挙げて、それに対する認識と評価を本調査で質問した。この研究の背景には2012のNHK放送文化研究所が行った世論調査のインターネットデイリーユーザーのメディア情報に対する傾向と特徴がある。その傾向と特徴とは情報探索意欲が強く、情報を鵜呑みにせず懐疑的であるというものだ。 そしてこの先行研究を背景として仮説を立て検証したが、結論から言うと仮説は実証されなかった。原因として、調査方法と実際の質問設定が甘かったことが挙げられる。しかし何故実証できなかったか、また各メディアユーザーごとの傾向の違いなどに着目した文責など興味深い分析結果を発見できたことは収穫である。 |
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講評 | 本ゼミの中でまとめられた卒論の全体的な特徴は、マスメディアもしくはインターネットなどの電子メディアの上で生じているさまざまな社会的現象について、その背後にあるメカニズムについて仮説を立て、実際にその仮説の予測に当てはまるデータがあるかどうかを、主にインターネット上のランダムサンプリングに基づく社会調査、および文献研究から検討した点にある。 卒論の具体的なテーマは、近年のSNSの発展とそこで生じるストレス事象に関連する、ソーシャル疲れ、炎上、対人トラブル、ネットワークの閉鎖性をテーマにした一連の研究があり、単にSNSをメディアとして論じる一般的な議論以上に、ユーザの視点から予測しない影響が検出された。また、マスメディアとSNSやインターネット一般との関連で、テレビのソーシャルメディア化、インターネットが生じさせた消費行動の変容(ショッピングやキーパーソン)、広告コミュニケーションや企業広報の変容、テレビで報道された不祥事に対する反応の差異、インターネット選挙解禁の効果、テレビと動画投稿・動画配信との役割分化、が研究の対象となった。これらはインターネットの発展がマスメディアの利用行動そのものを変化させ、またマスメディアの利用と連動することも明らかにしていた。さらに個別のテーマとしては、タレント出演の報道番組が分かりやすさの追求にはならない一方で従来は報道に接しない層を惹きつけるという効果研究、電子書籍市場の発展を検討すると直線的な発展の予測は当てはまらないという予測研究が行われた。 仮説の予測が当てはまるかどうかは、研究対象とした社会的現象についてのメディアの効果の先行研究や卒論執筆者の論理的な推定力によって左右され、うまく実証できた事例も少なくない。一方、仮説の予測が当てはまらないときに、それがなぜかを多角的な視点から検討するのも、社会的現象の説明には重要な事柄である。本年の卒論はこうした点で粘って検討した点が随所に見え、評価できるが、もう少し分析力を上げれば、さらに説得的な論文になったのではないかという注文も付けておきたい。 |
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キーワード1 | インターネット利用 |
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キーワード2 | デイリーユーザー |
キーワード3 | マスメディアの不祥事 |
キーワード4 | 認知度 |
キーワード5 | ネガティブ評価 |