学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 竹内 幸絵 | 年度 | 2015年度 |
---|---|---|---|---|---|
タイトル | 百貨店の大衆化における新聞広告分析 |
内容 | 本論文は、文字中心の新聞広告は、明治から昭和にかけての時代に百貨店が大衆化していく過程でどのような役割を果たしたのかについて考察するものである。特に、他社の百貨店化のお手本となっていた三越呉服店、三越とは異なる戦略をとりながら百貨店化した_島屋の二社を取り上げ、考察する。百貨店の広告といえば、見た目に綺麗な美人画ポスターが印象深いが、当時その他の広告では技術的には劣ったとされた文字中心、価格入り新聞広告や、高島屋では奇抜な図版や文字が描かれたポスターが多数出稿されており、効果が大きく、売り上げを伸ばす要因となっていた。その理由として本論文では、高島屋や三越は、関東大震災などの時代背景の中で、地元の人々に親しみを持ってもらい、気軽に足を運んでもらえる存在としての百貨店像を当時描きたかったのではないかとして、人々の「主婦感覚」に訴える役割を新聞広告に託したのではという結論に至った。 |
---|
講評 | 彼女のゼミでの最初の発表は百貨店文化がテーマだった。その後百貨店の大衆化と広告表象の関わりという歴史的テーマを掲げ、正攻法で卒論研究を進めてくれた。 見た目に綺麗な美女が描かれた広告だけが百貨店広告ではなかった。その事実が、百貨店の大衆化とどのような関連性を持っているのか。このテーマは専門的な研究でもまだ取り組まれた事例のないもので独自性が高い。 東京の三越百貨店に比べ、研究がまだ少ない高島屋を対象としたことも研究を成功に導いた。資料館の学芸員にインタビューした結果も、それまでに集めていた諸資料をつなげる大きなヒントとなった。同社の経営戦略の変化と、百貨店広告の変化(美女ではなく奇抜、あるいは実質的広告への)は、相関があることが判明したときにはおおきな喜びがあった。 自身も百貨店に就職する執筆者にとって、百貨店が人々の生活や夢に果たしてきた役割を考える貴重な機会となったと思う。 |
---|
キーワード1 | 百貨店 |
---|---|
キーワード2 | 大衆化 |
キーワード3 | 新聞広告 |
キーワード4 | 関東大震災 |
キーワード5 |