学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 竹内 幸絵 | 年度 | 2015年度 |
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タイトル | 年間販売台数上位10車の自動車広告から見る、バブル期と不況期の広告戦略比較 |
内容 | 自動車は私たちの日常生活に欠かせないものだが、その売上はバブル期と比べると半減している。バブル期とリーマン・ショック直後の不況期の自動車広告を比較すると、自動車がある豊かで魅力的な生活を演出するものから、燃費などの実理性を押し出すものへと変化していた。これはバブル期は自動車が人々の生活の中心であったが、経済状況の悪化やライフスタイル、価値観の変化によって、自動車の相対的な価値が下がったことを示唆している。今後の自動車広告は消費者の意識が高まったことで環境性、安全性への訴求がより強まっていくだろう。自動車の環境性能、安全性能は日々進歩しているため、現在の自動車市場は消費者が求める点と自動車メーカーが売り出す点がうまく一致した環境であると言える。そこでさらに生活・心理面でも消費者に響く訴求を行うことができれば、自動車が消費者の生活の中心に返り咲くことも期待できるのではないだろうか。 |
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講評 | 移動する道具としての機能性と、それと同程度かそれ以上にブランド性が求められる「クルマ」という消費財を分析対象とし、社会の「豊かさの変化」を測ろうと考えた論文である。 研究の根幹ではバブル期と不況期の表現の違いから、必要とされている豊かさの違いを見ていった。興味深いのは執筆者の結論が、「実利性を重んじる今日の広告」が、作り手と受け手の双方に満足されている(両者の要望が上手く一致している)としたこと。さらには、だからこそもう一度、心理的に響く訴求が今後は求められるようになるだろう、と予測していることである。これは現在の自動車が消費の中心にはいない(かつては中心だった)状況を残念に思う執筆者の期待が現れた部分でもあるが、CM分析の卒業論文の総括としては優れた示唆だと考える。電機メーカーでの仕事にもこのような思考と分析力を活かし活躍してほしい。 |
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キーワード1 | 自動車 |
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キーワード2 | ライフスタイル |
キーワード3 | バブル期 |
キーワード4 | 不況期 |
キーワード5 |