学科	メディア学科	ゼミ教員名	竹内　長武	年度	2016年度
タイトル	アニメ「Free!」と聖地巡礼

内容

漫画やアニメの舞台となった場所を訪問するファン行動を「聖地巡礼」と呼ぶようになって久しいが、実在する土地を、作品の背景として利用するという技法そのものは、実はそれほど新しいものではない。しかし近年、作中に登場する舞台が、現実世界においても意味を持つようになり始めた。「聖地」を利用した地方の町興しなどが、その例である。本論文では、テレビアニメ『Free!』と、その舞台となった鳥取県岩美町が『Free!』によって町興しを成功させた事例を取り上げ、聖地巡礼がこれからの日本の観光産業に与えると考えられる影響について考察した。また近年、歴史を題材とした漫画やアニメが数多く製作されたことにより、「史蹟巡り」が聖地巡礼化しているという現状に注目し、両者の共通点及び異なる点について考察した。この2つのファン行動に見られるように、物語化された風景を利用した観光産業は、これからの日本の観光産業を支えていく上で、重要となる。

講評	近年、映画やアニメーションの舞台となった土地をファンが巡る〃聖地巡礼〃が話題となっている。自治体等が利用して町おこしのきっかけにする例も増えてきている。海外からも来訪者が増えている。そうした聖地巡礼を、アニメ作品「Free！」を例に、その実態は、またどんな特色があるのか、問題点は、等を考察したのが本論文である。筆者は舞台となった鳥取県岩美町にフィールドワークにでかけ、さまざまな情報を集め考察するとともに、地域における観光産業の問題点をもあきらかにした。ユニークな論考である。

キーワード1	聖地巡礼
キーワード2	Free!
キーワード3	史跡巡り
キーワード4	観光産業
キーワード5	物語化された風景