学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 佐伯 順子 | 年度 | 2017年度 |
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タイトル | 『太陽の下で-真実の北朝鮮-』からみる北朝鮮ドキュメンタリー映画の考察 |
内容 | ドキュメンタリー映画『太陽の下で』を事例に、隠し撮りによる映像が引き起こす問題と、北朝鮮風刺の映画を制作・公開することの特徴を見ていく。この映画の監督であるロシアのヴィタリー・マンスキーは、無事に北朝鮮国内での撮影許可を受けるが、常に当局の「付添人」に、映像を確認され、検閲された。さらに、ドキュメンタリーとは名ばかりで、マンスキーが撮影させられた出演者や状況は、すべて当局による演出であることが判明した。それを暴くことを試み、付添人にばれないよう隠し撮りを遂行して演出の過程をあらわにする。しかしその行為は、マンスキーにとって危険なことであったと同時に、出演している北朝鮮の一般人、さらには隠し撮りに気付かないまま映像に映り込む付添人の身の安全も脅かしたことを指摘する。また、映画の公開による北朝鮮の反発も含め、同国特有の環境が、映画の制作・公開に及ぼす影響を見ていく。 |
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講評 | 2017年度卒業生は、佐伯ゼミで学習する映像分析および、関連する新聞、雑誌記事、SNS上の情報の調査、分析の方法を駆使して、映画、新聞、雑誌記事、SNSの情報等を広汎に含む幅広い成果をあげた。また、指導教員の専門分野が、メディア・文化・文学研究に関わる学際性を含むことから、海外の児童文学・文化の日本における受容を社会科学的に論じるというユニークなテーマ設定もみられたのが特徴である。 ドキュメンタリー映画『太陽の下で』の分析を通じて、ドキュメンタリーに含まれる主観性の問題、プロパガンダ映画ではなく、社会の実態を伝えようとする監督の意図、その際に直面した撮影時の困難や、隠し撮りという方法の是非について論じた。北朝鮮と友好関係にあるロシア監督であるからこそ可能になったこの映画の社会的意義を、風刺映画『ザ・インタビュー』との比較も通じて論じた点に独自性があり、事例を一作品に絞って詳細な研究を行うことで、密度の濃い議論が可能となった。ドキュメンタリー映画の国際社会における存在意義を指摘した点で、映画研究一般にも貢献できる成果といえる。 |
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キーワード1 | 北朝鮮 |
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キーワード2 | ドキュメンタリー |
キーワード3 | 演出 |
キーワード4 | 隠し撮り |
キーワード5 |