学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 竹内 幸絵 | 年度 | 2017年度 |
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タイトル | ゴミと化したオリコンチャート-何故、今日の日本は長期的なヒット曲に恵まれないのか- |
内容 | 1980年代以降、週跨ぎでオリコンチャートの首位を獲得したシングル盤は徐々に減少し、ここ約10年では殆ど現れなくなってしまった。その原因がメディアの発達、及び人々のメディア利用の変化にあると仮説を立てた上で、その関連性を分析し、考察を行った。各年代におけるヒット曲の傾向と音楽関連メディアの変遷を踏まえ、・1970年代末から1980年代初頭にかけて興隆期を迎えた音楽番組と現在の音楽番組の番組構成の比較、・1990年代と2010年代にオリコンチャートの首位を獲得したドラマ主題歌の総楽曲数とその首位持続期間の比較、・オリコンチャートとiTunesトップソングにランクインしている楽曲の比較の3つの観点から分析を行ったことで、人々の「新奇性志向」が上記の現象に大きく絡んでいることが分かった。この「新奇性志向」故に生じる人々の飽きっぽさこそが、邦楽の長期的なヒットを阻んでいるのである。 |
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講評 | ここ数年で2週間以上連続してオリコンチャートで一位をとった曲は皆無。執筆者はオリコンチャートトップ曲の一覧表を片手に、この変化が各時代を映していると思われ面白くて見飽きない、これをテーマとして社会を考えてみたい、と、熱く語った。確かに彼の作成した表は劇的な変化を示していた。1970年代から2010年代までを範囲としたため音楽番組の比較からドラマ主題歌のヒットの変遷、CDからiTunesへの楽曲購入の変化など、検討範囲は非常に広くなったが、粗削りではあるが40年間の社会変化が音楽文化に与えた影響をばっさりと書ききった論文となった。レコードやCDの売り上げチャートで音楽番組が構成されていた1970年代、そこには家族がお茶の間で集う音楽番組の視聴があった。ドラマ主題歌の大ヒットがった1990年代には3か月の放映期間ずっと一位という曲(SAY YES)もあった。現在はiTunesで安価で曲が買え、CDの売り上げは「握手券」を求める購入者がささえる。この購買を基にしたオリコンチャートはもう音楽シーンを反映しているとは言えないだろう。「ゴミと化した」という過激にも思われる表題は、音楽と社会の関係を考えた彼の目線からの今の状況へのアンチテーゼである。 |
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キーワード1 | オリコンチャート |
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キーワード3 | 音楽番組 |
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