卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名竹内 幸絵 年度2017年度
タイトルお酒を使い分ける大学生-自己のイメージを創るお酒-
内容 時に人間関係に強く影響を与えることもあるお酒の席。そのような席だからこそ、人々は相手に合わせて注文するお酒を変えることもあるのではないか。本論文では、アンケートとインタビュー調査を通して、様々なお酒の持つジェンダー的イメージと、そのイメージを利用し飲料を使い分ける大学生について研究している。まずは多くの大学生が、男性らしいお酒=ビールとハイボール、女性らしいお酒=甘いカクテルというイメージを持っていることが明らかとなった。そして最終的に以下の二つの結論を導きだした。すなわち・気を遣う場面では、男性は他人(相手)の迷惑にならないよう状況にあったお酒を注文し、女性は他人(相手)からどう見られたいのかを考えて、それにあったお酒を注文している。さらに、女性が相手から「ノリよく見られたい」と考える時には男性らしいお酒を注文し、「かわいらしく見られたい」と考える時には女性らしいお酒を注文する。・気を遣わない場面では、男女ともに、無理して飲んだり、もしくは我慢したりすることなく、好きなようにお酒を注文していることがわかった。
講評 広告が好きでサークルもゼミも広告を選んだ彼女だが、論文のテーマ設定には大いに悩んだ。お酒を飲むという行為に切り込んだものにしたかったが、その方向性がマーケティング的興味となっていることに自身がよしとしなかったためである。もちろん社会に出て働き出した後は間違いなくそのような思考が必要だ。しかしだからこそ卒論はそうではない、社会と酒との関係を考える内容にしたい。指導者とも何度も話し、様々な方法と思考を検討していく中で、最終的には女性の化粧にかかる先行研究を参照しながら、酒を飲む際の「外的他者意識」「公的自意識」の作用を検証した社会学部らしい論文に仕上げてくれた。
大学生はお酒そのものよりも場を楽しんでいる。相手のことを考えて頼む男性、自分がどうみられるかで選ぶ女性。気を遣う(親しくない間柄、大人数)場と気の置けない場における酒の種類の選択の差。調査していく中で複数の考察が導かれた。このため書き方にも迷いが生じたが、最終的には4点にまとめ、いくつかの傾向を提示する幅のある論文になった。2年間ゼミ長としても頼れる存在であった彼女の酒業界での活躍を期待している。
キーワード1 お酒
キーワード2 男性らしいお酒・女性らしいお酒
キーワード3 モテ
キーワード4 外的他者意識
キーワード5 見られたい意識