卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名阿部 康人 年度2018年度
タイトル美容雑誌『MAQUIA』とインスタグラムにみるコミュニケーション戦略
内容 本研究の目的は、現代日本社会における美容に関心を持つインターネットユーザーのコミュニケーション戦略の一端を明らかにすることである。本研究では現在の日本で普及している、ブログとインスタグラムという異なるオンラインメディアにおける投稿者のコミュニケーション戦略を検証する。加えて、検証結果をもとに、企業のPRやプロモーション戦略、マーケティングのあり方について検討し、ひいては一般消費者のメディアを利用した購買行動の一端について明らかにする。
検証は、雑誌『MAQUIA』のオンラインサイト「マキアオンライン」とインスタグラムの投稿で行う。マキアオンラインでインスタブロガーとして活動している方を対象とし、彼女達の投稿を比較検証した。
検証の結果、媒体によって、投稿の持つ特徴に違いがあることが明らかになった。マキアオンラインでは商品に関心をもってもらう、商品へのlove meを促すコミュニケーション戦略が活発に見られたのに対し、インスタグラムでは商品へのlove meの他に、投稿者に関心をもってもらう、投稿者へのlove meを促すコミュニケーション戦略が見られた。
コミュケーション戦略を明らかにしたことで、企業のマーケティング戦略や消費者の購買行動に有益な知見をもたらすことができると考えられる。
講評 論者自身が読んでいる美容雑誌『MAQUIA』のウェブサイトであるマキアオンラインを研究対象として、そこで活躍するブロガーがブログとインスタグラムをどのように使い分けて商品PRをしているのかを検証した力作です。梶山(1999)の議論に依拠しながら、プロモーションや宣伝といった類似概念とPRという概念を区分して整理しつつ(第一章)、SNSに関する先行研究を踏まえたうえで、リサーチクエスチョンを構築した点を評価します。さらには、自身の研究におけるデータ収集のプロセスや分析結果などを学術論文さながらに丁寧かつ正確に報告した点も高く評価します。一方、ブログについての先行研究をもう少し丁寧に行えば、さらに面白いリサーチクエスチョンが生まれたのではないかと思います。三年次の早いうちからテーマを決めてコツコツと研究を進展させ、大作を生み出しました。2年間の努力の結晶である本作を評価します。
キーワード1 インスタグラム
キーワード2 ブログ
キーワード3 送り手研究
キーワード4 PR
キーワード5 コミュニケーション