卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名竹内 長武 年度2019年度
タイトルマンガ「キングダム」と組織
内容 マンガはただ純粋な娯楽として消費するだけではもったいない。マンガは「暇つぶし」のように、ただ純粋に娯楽として消費する方法が一般的である。しかし、マンガから学べることは予想以上に多い。本論文では、「キングダム」の組織マネジメントの要素を考察することで、マンガの実用的な消費方法の可能性を明らかにしている。
明確な目的をもった集団を組織という。「キングダム」で言うならば、敵国の侵略のために、形成された軍隊などがそれにあたる。また、その軍隊は会社と組織構造が類似している。国王は社長、文官たちは役員にあたる。そして、各将軍たちは事業部長の役割に当てはまり、彼、彼女たちのマネジメント次第で戦局は大きく変わる。企業的に言うならば、利益が大きく変わる。組織は1人1人の有機的な動きが重要であり、マネジメントがそれを高めるからだ。
将軍のマネジメントが現れる要素に開戦前の「檄」などが挙げられる。「檄」といった一要素だけでも様々である。つまり、将軍の数だけ、多種多様なマネジメントが存在するということだ。ビジネス的観点から「推し」キャラを決める読み方も面白いのではないだろうか。
講評 2019年度の竹内長武ゼミの卒論は、バラエティに富んでいた。ポプラーカルチャーを中心として、さまざまなテーマで取り組んだ。マンガの分野では、「キングダム」に表現された組織のあり方、韓国のウェブトゥーンの表現、「名探偵コナン」のメディア戦略などがテーマとしてあった。テレビや映画については、ギャング映画の変遷、声優のメディア進出、ゾンビ映画の歴史、「聖地巡礼」のブーム、「容疑者Xの献身」の海外との比較、高校野球のメディア戦略、ジャニーズとファンとの関わり、新撰組のメディア普及など。ネットやSNS関係では、教育との関わり、VRメディアの生活環境への影響、日本のYouTube の現状と問題点、SNS時代におけるファッションなど、実に多様なテーマに取り組んでいる。それぞれ問題意識が高く、研究の方法も、実態調査にもとづくもの、文献を中心とするもの、作品分析など、テーマに応じたものが採られていた。文章表現は論理的なスタイルが要求されるが、かなり高度な文章力をもつ学生もいて、感心させられることが多かった。全員、自分の関心のある分野やテーマに取り組んできたので、完成したときの喜びは大きかったと思う。
キーワード1 マンガの消費方法の可能性
キーワード2 マンガのビジネス的観点からの消費
キーワード3 企業と軍隊の組織構造の類似性
キーワード4 キングダム
キーワード5 多種多様な将軍とマネジメント