学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 勝野 宏史 | 年度 | 2019年度 |
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タイトル | 「おもてなし」から見る現代社会 |
内容 | 本稿では、おもてなしに焦点を当て、どのようにおもてなしが巨大産業化するにいたったのかについて明らかにする。この問いは私のUSJでのアルバイト経験に起因する。2年間クルーとして働くなかで、おもてなしを介すると、労働者側と客側には感情のズレが生じてしまうにもかかわらず、なぜ両者とも不利益を被らないのかということを不思議に感じるようになった。 この問いを解明するために、私はおもてなしについて解説した書籍を数冊比較することでおもてなしの産業化を探ることにした。なお、この議論は、感情労働とポストフォーディズムの二つの先行研究に基づくものである。その結果として、今日のおもてなしは次の二つの特徴を持つことが判明した。一つ目に、マニュアル化に成功したことで、おもてなしが単純労働の領域に属するようになったこと。二つ目に、おもてなしが個の流動化が進行した現代社会において個人を再定義する役割を担うようになったことである。この二つの要因が、おもてなしの産業化に貢献したのである。 |
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講評 | 今年度は多様なテーマからなる22の卒業論文が提出され、大きくは以下のカテゴリーに分けることが出来た。1.社会・文化的価値観・アイデンティティ 2.メディア環境・リアリティ 3.表象(ジェンダー・他者・地域) 4.消費社会・資本主義・デザイン。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその解釈の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。個々それぞれが別々のテーマに着目しながらも、最終の口頭試問において明らかとなったのは、すべての論文が何らかの形で「変容」「流動化」もしくは「存在の不安」という問題意識を有しているということであった。最後にゼミ全体としてその様な大きな問いを共有することができたのはゼミ参加メンバーが主体的な議論を重ねてきた結果であろう。 |
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キーワード1 | 感情労働 |
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キーワード2 | ポストフォーディズム |
キーワード3 | マニュアル化 |
キーワード4 | 個人の再定義 |
キーワード5 | おもてなし |