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近年、笑いの表現単語として「シュール」という言葉をよく耳にする。「シュール」はお笑い芸人に限らず漫画やアニメ様々なコンテンツで用いられるが、感覚的で曖昧な表現単語なため、「シュール」の言葉の意味を説明できる者は多くないだろう。そこで私は、「シュール」とは何か、また「シュール」なものがなぜ現代にウケているのかを明らかにするため、「シュール」誕生の前後のお笑い界の変遷、そして現代、社会において大きな影響を与えるSNSの中で特に「シュール」な投稿を視聴した。また、お笑い界の中でも、テレビ、動画配信サイト、劇場ライブ、SNS等様々なメディアの動画を分析した。そうした映像分析を通し、「シュール」なものには「現実(日常)と非現実(非日常)の混沌」や、お笑い用語でいう「ツッコミ」が発信者側には存在しなくても、受信者側の心の中で「ツッコミ」をさせるような「ボケ」要素を孕むという結論に至った。そして現代において「シュール」が増えたのは、ワイプやテロップなどのテレビや動画の編集技術により人工的な非現実(非日常)と現実(日常)の共存を可能としたこと、またSNSにより一般人でも意見を大衆に発信できる環境で「シュール」の発信者が多くなったこと、コメント機能や投稿文章により動画や画像の非現実(非日常)世界への「ツッコミ」が明確化したことによるものだと明らかにした。 |