学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 勝野 宏史 | 年度 | 2019年度 |
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タイトル | 「SNSの使用」と「『モテる』という言葉」が若者にもたらす<魔の習慣> |
内容 | 人は相手との関係を深めたいと望むと、普段以上に自己の印象を気に掛ける。そこで現在の思春期以降の10~20代前半の若者の自己形成に注目する。本稿の目的は、見た目主義で形成されるSNSの世界や消費社会がいかに若者の恋愛観や人間関係に不安を与え、客観視した自己形成に影響を与えるかを明らかにすることである。原因として「『モテる』関連の商品とその広告」が、若者に「複数の異性を魅了すること」と「華やかな日常生活を送ること」を理想にさせることと考え、それらの内容及び恋愛の教科書であるモテコラム・ファッション雑誌・有名人の役割を分析する。若者は日常でスマホを使用し①他者の私生活②「モテる」関連の商品と広告③有名人の姿を頻繁に目にし、「他者と自己の比較」と「外見の繕い」が習慣化され、社会の一員として及び恋愛対象としての自己への不安が芽生え、異性・同性の両方から「モテたい」という承認欲求を抱く。そしてその不安を紛らわすために①②③のいずれかに再び関心を向け、新たな不安を抱くという<魔の習慣>に陥ると考える。 |
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講評 | 今年度は多様なテーマからなる22の卒業論文が提出され、大きくは以下のカテゴリーに分けることが出来た。1.社会・文化的価値観・アイデンティティ 2.メディア環境・リアリティ 3.表象(ジェンダー・他者・地域) 4.消費社会・資本主義・デザイン。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその解釈の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。個々それぞれが別々のテーマに着目しながらも、最終の口頭試問において明らかとなったのは、すべての論文が何らかの形で「変容」「流動化」もしくは「存在の不安」という問題意識を有しているということであった。最後にゼミ全体としてその様な大きな問いを共有することができたのはゼミ参加メンバーが主体的な議論を重ねてきた結果であろう。 |
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キーワード1 | SNS |
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キーワード2 | 安価な商品と広告 |
キーワード3 | 思考の誘導 |
キーワード4 | 不安(孤独感) |
キーワード5 | 対人魅力 |