学科	メディア学科	ゼミ教員名	勝野　宏史	年度	2019年度
タイトル	「女性の理想像の変遷」

内容	本論文では、個人の生き方が追求されるようになった現代で、長きにわたり固定化されていた「女性の理想像」がどのように多様化しているのかを主題とし、歴史的な理想の女性像をたどり、現代の女性タレントである渡辺直美と田中みな実のSNS、インタビュー記事、テレビ番組から分析を行った。結果、SNSのインフルエンサーによる直接的な影響、炎上による声なき声であった個人の価値観の可視化などにより、現代の女性の理想像は広く多様化されていた。多様化されている中でも、フェミニズム的な海外の価値観への憧れと、美しさへの憧れは今も昔も変わらない女性の理想像としてあった。変化した部分として、以前は、男性が求める美を持つ女性や家庭の中で専業主婦をする女性が理想的だと固定化されていたが、現代では、自分のコンプレックスを受け入れ、自分の生き方を尊重され、自己表現をしている女性が理想像とされていることが分かった

講評

今年度は多様なテーマからなる２２の卒業論文が提出され、大きくは以下のカテゴリーに分けることが出来た。１．社会・文化的価値観・アイデンティティ　２．メディア環境・リアリティ　３．表象（ジェンダー・他者・地域）　４．消費社会・資本主義・デザイン。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその解釈の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。個々それぞれが別々のテーマに着目しながらも、最終の口頭試問において明らかとなったのは、すべての論文が何らかの形で「変容」「流動化」もしくは「存在の不安」という問題意識を有しているということであった。最後にゼミ全体としてその様な大きな問いを共有することができたのはゼミ参加メンバーが主体的な議論を重ねてきた結果であろう。

キーワード1	フェミニズム
キーワード2	多様性
キーワード3	広告
キーワード4	SNS
キーワード5	ジェンダー