学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 佐伯 順子 | 年度 | 2021年度 |
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タイトル | SNS時代の新聞広告 ~オールドメディア×ニューメディアが生み出す新たな価値~ |
内容 | 本論文は、「新聞広告がSNSで話題化する現象」をもとに、衰退しつつある新聞の価値や両者の関係性、今後の社会における可能性について論じたものである。 論文内では、事例を複数取り上げ、様々な視点から分析・考察を行っている。新聞社は既にSNSを視野にいれた広告展開を行っており、媒体のサイトや媒体資料にもその取り組みが明記されていることがわかった。また、毎年開催される新聞広告賞では、受賞作品の受賞理由内にSNSやインターネットでの話題化について触れられているものが数多くあり、ここ数年で急激な増加が見られる。さらに、話題化した事例についてSNSの投稿を分析すると、事例ごとの特徴や話題化に繋がった要因が明らかになった。新聞が信頼性の高いメディアであるためにSNSでの拡散がしやすいこと、新聞広告は企業がメッセージを発信しやすい媒体であること、紙媒体ならではの特徴である、手元に保存できる点が所有欲と拡散欲に繋がっていることが要因であると考察した。 このように新聞広告は新聞の特徴を生かしてSNSで話題化していることから、新聞は今後衰退するのではなく、新しいメディアと共存し価値を生み出していくと結論づけている。 |
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講評 | 紙メディアである新聞の広告がSNSで話題になり、オンラインの企業がオフラインの新聞広告を利用するという相互乗り入れも生じている日本の広告の現状を調査し、公器としての新聞が掲載する広告の社会的影響力が依然として失われていないことを明らかにした。新聞広告賞の受賞理由におけるネット上での話題という要素の増加、広告の具体的事例の表象分析、新聞社の広告ビジネスの構造や新聞広告の分類など、多角的視点から新聞広告の現在地を研究した本論文は、新聞記事自体の内容分析ではなく新聞広告をSNSがバズる現象との相乗効果において考察するという着眼点の独創性、斜陽産業といわれがちな新聞の公的影響力を、多くの広告の実証的分析から明らかにした点において、SNS時代の新聞研究を切り拓く新機軸として高く評価できる。 |
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キーワード1 | 新聞広告 |
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キーワード2 | SNS |
キーワード3 | 新聞離れ |
キーワード4 | インターネット |
キーワード5 | バズる |