内容 |
近年、日本で動物愛護意識が高まっている。内閣府が平成17年と平成22年に行った世論調査によると、ペットを取り扱う業者に対する規制や指導の強化を求める人は、平成17年では37.4%、平成22年では47.9%と、10.9%ほど増加した結果となった。また、NPO法人『人と動物の共生センター』が2016年に行った調査では、過去にペットショップの利用経験があり、且つ現在ペットショップ利用に抵抗を感じる人の中で、約63%がブログやSNS をきっかけとしていることが明らかになった。さらに、SNS が日本に普及し始めた時期が、平成17年から23年頃であると言われている。ここから、本論文では「SNS は動物愛護意識の高まりに影響を与えている」という仮説を立て、それを検証した。第1章では先行研究の分析や仮説について述べる。次に、第2章ではペット産業が抱える問題点、法律、ペットショップの営業方法等、ペット産業の実情について述べる。第3章では本論文で行ったアンケート調査の方法や結果について述べ、仮説を検証している。最後に、第4 章では第3 章で行った分析を基に考察を行い、SNS でペットショップ問題の情報を入手した人やSNS の利用時間が長い人はペットショップ問題の改善に向けて行動をする傾向があることが確認された。結果として、「SNS は動物愛護意識の高まりに影響を与えている」という仮説はおおよそ支持された。今後はSNS のどの要素が人々に影響を与えたのか、より詳しい調査が必要となる。 |