内容 |
近年、歌声合成ソフトの界隈では既存のYAMAHA社のVOCALOID等とは異なり、ディープラーニングを用いた「AI歌声合成」ソフトが多数一般向けにリリースされるようになった。「AI歌声合成」によって生み出される歌声は既存の歌声合成ソフトと比べて、人間味が強くものによっては人が歌っていると錯覚する人もいるほどである。この論文では、リサーチクエスチョンとして「『AI歌声合成』は現在社会でどのように受け入れられているのか? また今後の『AI歌声合成』はどうなっていくのか?」という疑問を設定し、その疑問を解決するために実際に「AI歌声合成」の歌声が人にどう捉えられるのかをアンケート調査やインタビュー調査を通じて現段階での「AI歌声合成」の社会における位置づけを検証し、今後どのような形で社会に影響を与えるかを考察した。アンケートやインタビュー結果として、現時点でも「AI歌声合成」には人に人間の声と錯覚される側面が確かに存在すること、しかしながら人間側が「機械の声」であると意識してしまうと途端に受け入れられにくくなってしまうことなどが判明し、今後の技術の発達についても有識者は期待しているものの、一般層は実感が得られていないなどのギャップも感じられた。しかし、アンケート調査で得られた反応からは一般層にも「AI歌声合成」の歌声自体への忌避感は感じられなかった為、それらも考慮しつつ、今後の技術の発展と展開について考察していき結論を出す。 |