卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名池田 謙一 年度2021年度
タイトル「歌声合成ソフト」が生み出す歌声は不気味の谷を超えられるか、そしてその先にはどのような未来が待つのかについての検討と考察
内容 近年、歌声合成ソフトの界隈では既存のYAMAHA社のVOCALOID等とは異なり、ディープラーニングを用いた「AI歌声合成」ソフトが多数一般向けにリリースされるようになった。「AI歌声合成」によって生み出される歌声は既存の歌声合成ソフトと比べて、人間味が強くものによっては人が歌っていると錯覚する人もいるほどである。この論文では、リサーチクエスチョンとして「『AI歌声合成』は現在社会でどのように受け入れられているのか? また今後の『AI歌声合成』はどうなっていくのか?」という疑問を設定し、その疑問を解決するために実際に「AI歌声合成」の歌声が人にどう捉えられるのかをアンケート調査やインタビュー調査を通じて現段階での「AI歌声合成」の社会における位置づけを検証し、今後どのような形で社会に影響を与えるかを考察した。アンケートやインタビュー結果として、現時点でも「AI歌声合成」には人に人間の声と錯覚される側面が確かに存在すること、しかしながら人間側が「機械の声」であると意識してしまうと途端に受け入れられにくくなってしまうことなどが判明し、今後の技術の発達についても有識者は期待しているものの、一般層は実感が得られていないなどのギャップも感じられた。しかし、アンケート調査で得られた反応からは一般層にも「AI歌声合成」の歌声自体への忌避感は感じられなかった為、それらも考慮しつつ、今後の技術の発展と展開について考察していき結論を出す。
講評 本年度の卒論は、例年以上にしっかりと書かれたものが多かった。先行研究の考察や歴史的な検討もよくできていた。インタビュー形式の論考もよくなされていた。
一方で、グループないし単独で実施したインターネット調査の分析は、まだまだ詳しくできるという印象を持った。調査実施の時期が遅くなり、十分な分析の時間が不足したものと考えられる。貴重なデータであるので、その点は惜しかったが、仮説の検証という目的は、それでも果たせていたように思われる。
キーワード1 AI
キーワード2 音楽
キーワード3 機械
キーワード4 不気味の谷
キーワード5 バーチャル