内容 |
本稿では、「鬼滅ブーム」と言われる社会現象を巻き起こした『鬼滅の刃』について、主にマンガ、アニメ、映画のメディア三つの観点から、「『鬼滅の刃』はなぜ社会現象となったのか?」という議題について考察していく。世間において『鬼滅の刃』が大流行し、私と同様にマンガやアニメに全く興味が示していなかった友人たちが次々と『鬼滅の刃』の虜になっていった。このような背景から、私は「あのブームは一体何だったのだろうか?」と振り返り、改めて今回調査するに至ったわけである。
『鬼滅の刃』に関する先行研究としては、ブームが過ぎ去って間もない故なのか、ほとんど研究がなされていないのが現状である。同志社大学の図書館で調べてみても、二冊だけしか置いていない。そこで、その二冊中の一冊である『「鬼滅の刃」に学ぶ:なぜ、コロナ禍の中で大ヒットしたのか』という一条真也の著作をもとに、本稿では議論を行っていく。ただ、一条の著作においても、『鬼滅の刃』と日本文化(主に、神道、仏教、儒教)との関わりが後半のほとんどを占めているため、本稿では前半の時系列的な説明をもとに議論を行っていく。加えて、本稿では私が独自に行ったアンケートを用いて「『鬼滅の刃』はなぜ社会現象となったのか」について議論を展開していく。 |