内容 |
インターネットの発達で常に「第三者に見られること」を前提に趣味を楽しむ現代において、承認欲求こそがコンテンツの発展要因になり得るのではないだろうか。本論文ではネットでの繋がりが増えたコロナ禍で、任天堂から発売された「あつまれどうぶつの森」の二次的サービスが生まれた背景には承認欲求が関係しているのではないかと仮定し、研究を行った。ここでは二次的サービスを、公式が提供しているゲーム内外のサービスから二次的に派生して生まれた非公式のサービスと定義している。具体的には、SNSの利用方法や二次的サービス提供者のインタビュー記事を考察し、行った。結果として、SNSを通して承認欲求を満たそうとする過程で、ゲームに関する消費者の欲求とサービス提供者の欲求が結びつくことで二次的サービスが生まれていたことが分かった。それには、このゲームがもつ匿名性を保持しながらも世界中の人と繋がることができるという特徴と、映えを意識するSNSとの親和性が高い世界観という特徴が関連していた。今後は、YouTube等の広がり方や似た要素を持つ他のゲームとの比較を行うことで異なる結果が出るかの検討が必要であると考えられる。 |