内容 |
本論文では、日本のアニメーションが外国に輸出され、その国の社会文化に応じてローカライゼーションされた事例を取り上げて、そこに現れる日本語と韓国語の言語文化について考察、比較していく。
韓国で2000年度から今日まで長年放送されてきた青山剛昌原作のアニメーション「名探偵コナン」を中心に、キャラクターの名前の変更や言葉遊び、言語の特徴を利用した事件の手がかりの翻訳をどう行ってきたのか分析する。さらに、韓国版だけでなくアメリカで現地化された事例も紹介しながら同じ東アジア圏である日本語と韓国語の類似点をより明らかにする。現代の「グローバル化」された社会の中で「現地化」はどういう意味を持つのか、そして文化コンテンツといったメディア作品を輸出入するビジネス産業の中で注意すべきことは何かについて考察していく。無理矢理現地化を行うことで生じた問題点や視聴者たちの不満を含めて翻訳の本質と意義について考える。また、日韓関係によって一部のエピソードが輸出できなかった場合があるという点で、メディアコンテンツの交易において国際情勢も大きい作用をすることが分かる。メディアコンテンツが国と国を繋げる肯定的な役を務める為に、翻訳と現地化作業がどれだけ重要なのかについて考察する。 |