学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 竹内 幸絵 | 年度 | 2022年度 |
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タイトル | 『花束みたいな恋をした』から見る若者の仕事の価値観 |
内容 | 本論文では、『花束みたいな恋をした』から見る若者の仕事の価値観について述べている。本作に登場する若者は皆「好きなことを仕事にしたい」という価値観を持ち、その背景には社会を嫌っている、自分を特別な人間として認識している、周りに同じ価値観の人間がいる、自分自身を軸に置いているの4つあることがわかった。 また、麦が変わった理由としては絹を軸に考えていたことや男であるが故の使命感、夢へのコンプレックス化があることがわかった。 また、本作で描かれた若者は現代の若者にも当てはまる。本作のように、好きなことを仕事にしたい若者は多く、その背景には今の若者が個性・自分らしさを大切にしていることがいえる。また、麦の変容も現実であり得る話だ。しかしながら、現代の若者は麦のように仕事にやりがいや責任を持って働いているかと言われればそうではない。現代の若者は自分を大切にしているからこそ、出世意欲はなく、むしろワークライフバランスを大切にしている。 |
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講評 | 映画『花束みたいな恋をした』は2020年に大ヒットした「恋愛」映画である。しかしこの論文はこの映画の恋愛観分析ではなく、就活、仕事観を研究テーマとしている。この映画の分析に当初から焦点を絞っていた筆者は、研究途中でテーマを変更した。それは筆者自身が卒論執筆中に就活を経験し、今このタイミングにいる自分だからこそ、このテーマに意味があると考えたからだった。映画では学生時代に出会い、社会人として働き始めるまでの男女の5年間が描かれている。当初価値観が近似していた男女(蜂谷絹、山根麦)だったが、職業を持つ中で意識が大きく乖離していく。映画にはモノやコトで伏線が多数張られていて、視聴社の話題をもりあげた。 筆者による分析は、両者のセリフのみならず、(描かれている二人の)育った家庭、そして片方が床に正座している、などのシーンの創りにも目をやり、この映画が描く職業観、そしてジェンダー平等に関する視野にも目配りしていった。春学期には順調なスタートを切ったと思えた筆者の論文は、その後停滞期もあり、最後の追い込みでははらはらさせられた。しかし持ち前の器用さで卒業論文という難関もスマートに乗り切った。卒論発表会では堂々たる報告をしてくれた。 春学期にたまたま大学内でこの映画の上映会があり、ゼミのみんなで観にいったことも懐かしい。話題となった作品は、その時代の価値観を映しているといえるだろう。4回生になると誰もが考えざるを得ない切実な「就職」そして「職業観」。この映画の人物らは筆者がいうように確かに今、2022年度の卒業生ら世代の若者の価値観をリアルに見せてくれていると思う。 |
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