内容 |
本稿では、「未熟さ」を売りとするジャニーズが圧倒する日本の男性アイドル市場で、JO1がいかに人気を獲得できたのかを検討したものである。JO1とは、2019年に行われたオーディション番組を勝ち抜いた11人で結成され、ジャニーズに匹敵するCD売り上げ記録や海外での活躍を誇るグローバルボーイズグループである。第1章で、JO1の功績について説明し、第2章で、日本アイドルの「未熟さ」と、韓国アイドルの特性についての先行研究を整理した。第3章では、ジャニーズが「未熟さ」を武器に日本で圧倒的な人気を有している事実をまとめ、第4章ではJO1が成功した要因について、JO1が生まれた『PRODUCE 101 JAPAN』と、同企画が参考にした『ASAYAN』やAKB48の総選挙、親会社である吉本興業での芸能活動という視点から述べた。また、日本でのK-POPブームと、ジャニーズのパフォーマンス意識について、YouTubeの動画から分析を行なった。以上の事から、JO1は、日本の男性アイドルが持つ「未熟さ」を育てられるという強みと、高いパフォーマンス、国民投票といった、ジャニーズなどの日本男性アイドルにはあまりみられなかった要素を取り入れていくことで、革新的な日本アイドル像を生み出すことが出来たのではないかと考察する。 |