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昨今の「働く女性」を描くテレビドラマでは、「仕事か、結婚か」という選択が描かれる。画面の中の女性は多くの場合、結婚ではなく仕事を選択し、結婚のほうは破算になってしまう。結婚して男性についていくよりも仕事をとるのは、その時点においては「自立していてカッコいいこと」であり、働く女の1つのロールモデルになっていく。これらに付随して生まれたジェンダーバイアスがドラマの中で女性を通して表象されていることが問題となっている。これまでにもテレビドラマと女性表象やジェンダー問題に関する研究は行われていたが、本研究では、比較的最近の2021年に放送された連続テレビドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」を事例にし、登場する女性たちの「結婚か、仕事か」に関する選択が、ジェンダーバイアスを表象しているのかどうか分析を行った。
その結果、「大豆田とわ子と三人の元夫」に登場する女性たちの「結婚か、仕事か」に関する選択がジェンダーバイアスを表象していることが本研究で明らかになった。ただ、彼女たちの「結婚か、仕事か」に関する選択の全てがジェンダーバイアスを表象しているわけではなく、ジェンダーバイアスが当てはまらないシーンもあった。 |