学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 竹内 幸絵 | 年度 | 2023年度 |
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タイトル | 2023年のYouTube上における切り抜き動画の実態とZ世代と切り抜き動画の関係性について |
内容 | 近年急増する「切り抜き動画」をテーマに、2023年現在のYouTube上の切り抜き動画の現状と、利用の中心であるZ世代のメディア行動について検討した。 本稿では3つの調査を行った。1つ目は、切り抜き動画に関わるYouTubeクリエイターやYouTube事務所の発言や対応に関するインターネット上の動画や記事の調査である。2つ目は、YouTube上の切り抜き動画の現状の概観と詳細の調査である。3つ目は、Z世代を対象に行ったアンケート調査である。 本研究により、現在切り抜き動画が大量に存在している事実と、利用するZ世代のメディア行動について明らかになった。また、切り抜き動画に関わる人々を多角的な視点で考察でき、その関係性における矛盾点等を考察することができた。 本論文は、2023年現在において変容し続け過渡期にある「切り抜き動画」の現象を、YouTube上の実例や当事者の発言を残すことで、この時代で生活する人々がどのように捉えていたかについて記録することができた点で意義のあるものである。 |
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講評 | 「切り抜き動画」って何?という私に苦笑しつつ流行を教えてくれた筆者は、Z世代のメディア行動の実態を記録するという意義を感じこのテーマを選んだ。この1,2年で急速に増加したYoutubeにおける新たな行動とZ世代との関係をみたい。これが研究目的だったが、背景には昨年話題になり当ゼミでも卒論テーマとなった映画(や授業動画)を早送りで観る行動やZ世代白書、タイムパフォーマンス、フィルターバブルからの突破(決まり切ったものではなく新しいものを探したいという動き)などへの筆者の興味があった。 論文は、X・Y・Zの世代論を紐解きつつ、「切り抜き動画」の視聴行動をアンケートで確認し、96.5%の利用率と実態を洗い出すところから始めた。アンケートからも「切り抜き動画」の短時間でポイントがわかる、生配信をアーカイブ保管できる、等の利点が浮かび上がったが、いずれも著作権違反の問題に直面する。論文では原作者の許可を得る、著作権を解放する原作者、逆に切り抜き禁止(ライバルになり得るから)といった原作者の態度にも言及している。 筆者は「切り抜き動画」の情勢を纏める意欲も持ち、チャンネル登録者の質的調査、テーマの種別調査(ニュース・政治、エンタメが多い)、長時間生配信との関係等も調査した。最も多く切り抜かれるひろゆき氏周辺では、本人の動画再生回数より切り抜き28人の総数の方が再生回数(30億回)を稼いでいるなど、ユニークな現状調査結果を引き出した。まとめでは、Z世代のタイパと知りたい欲を「切り抜き動画」が満たしている反面、タイパを求めつつ日に30分もみるという矛盾を指摘。切り抜き制作者の立場からは、自身が面白いコンテンツを創れない場合もユーチューバーになれるという社会性も指摘した。著作権を守る「切り抜き動画」のプラットフォームも整備されつつあり、今後は原作者・切り抜き制作者・視聴者三方よしのコンテンツへと発展するのでは、と締めくくった。時間切れで粗削りだが2023年度の卒論として記録に残すべき卒論である。 |
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キーワード1 | 切り抜き動画 |
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キーワード2 | Z世代 |
キーワード3 | YouTube |
キーワード4 | タイパ |
キーワード5 | 短尺動画 |