学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 竹内 幸絵 | 年度 | 2023年度 |
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タイトル | スマホで音楽を聴ける時代に CD が買われ続けているのはなぜなのか |
内容 | 本研究は「スマホで音楽を聴ける今、なぜ人々がわざわざCDを買っているのか」という疑問からスタートとした。この疑問を解決するために、独自のアンケート調査を行い、分析を行った。調査の結果と分析より、CDを購入している人は「ファンとしてCDをコレクションする」であったり、「ファンとしてアーティストを応援する」ことを目的にCDを購入していると明らかになった。同時にCDを購入している人が最も利用している音楽メディアはストリーミングサービスであるという点も明らかになった。これらの点より日本においてCDが買われ続けている要因として、CDで音楽を聴くという面よりも、「ライブに行く」「グッズを買う」とおなじようにファン行動の一環という面が大きいという結論を導き出すことができた。本論文では、CDが音楽メディアとして利用されることが少なくなっているものの、ファン行動の一環としてCDが買われ続ける限り、日本でCDが今後も売買され続けるという知見を提示できた。 |
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講評 | 楽曲が定額で聞き放題。ストリーミングサービスはこの数年で音楽業界を激変させた。音楽をカタチ(レコード・テープ、CD)で買う人はもはやほとんどいない…これは世界標準である。ところが日本(と韓国)では今もCDが売れ続けている。なぜなのか。本論のテーマはCDが日本でなぜ残り続けているのか、というシンプルなものであるが、筆者はその理由と、CDという音楽媒体の存在意義についての3つの仮説を立てる。アンケートを実施し、その数値的・心理的な読解・分析を行い、結論につなげていく。筆者はこのようなテーマ設定と、研究対象、方法の絞り込みといった的確な枠組みを早い段階で構築し、ゼミ内でも特にスマートに論文を仕上げていった。分析で光るのは、業界関係者と視聴者の双方が、作詞・作曲者に敬意を払っていることが、日本でのCD文化の継続を支えているという関係者の発言の発見。そしてファンは所有することに意識があると考えていることのアンケート結果からの導きである。「日本ではファン行動の一つとしてCDが買われている」と結論付けた。無駄のない、今後のゼミ生にも大いに参考にしてほしい、模範的な卒業論文である。 |
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キーワード1 | CD |
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キーワード2 | 音楽メディア |
キーワード3 | ファン行動 |
キーワード4 | コレクション |
キーワード5 | ストリーミング |