学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 竹内 幸絵 | 年度 | 2023年度 |
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タイトル | スポーツ中継されないフェンシング ―『スポーツ普及の方程式』から考える― |
内容 | フェンシング競技の競技者である筆者が、現在の日本フェンシングの著しい成長と比例することのない競技のメディアへの露出度に対して問題提起をし、その要因が先行研究である『メディアから見るスポーツ普及の方程式』より、「ヒーローの不在」、「スポーツ観戦のデータ化の困難さ」、「協会とメディアの排他性」であると仮説を立て、検証・分析を行う。その結果、太田雄貴を超えるヒーローと呼べる存在はまだ現れておらず、またフェンシング競技のビジュアライズ化も積極的に推進されてきたが、協会の財政難によって継続されることが不可能となっており、さらに、太田とメディアの親和性が高まったものの、日本フェンシング協会とメディアの親和性は依然として高まっていないことが明らかになった。すなわち、これらの要因によって、日本のフェンシング競技の試合中継が促進されていない状況にあると筆者は結論づけた。しかし、このような現状を打開する唯一の突破口として、人々に競技体験を与え、フェンシング競技に対する理解を深め、それが試合観戦への興味や期待値を上げることにつながると考えた。 |
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講評 | 筆者は体育会フェンシング部で部長を務めた。卒論のテーマもフェンシングとメディアである。フェンシングは金メダルをとり世界選手権でも活躍している。ワールドキングでも1位常勝という日本のフェンシングがメディアに露出しない理由を考えたいという研究背景はとてもわかりやすいものだった。スポーツ中継の重要性を示したうえで、スポーツ中継が行われているラグビー、バレー、バスケットとフェンシングは何が違うのか、選手で無ければ書けない目線から、その複雑な競技特性を踏まえつつ検討した。先行研究からスポーツがメジャーとなる要因を3つ選択し、これがことごとくフェンシングにそぐわないことを突き止めて行った。その四つとは、ヒーローの存在、スポーツ観戦のデータ化、協会とメディアの親和性である。一時は蜷川実花の写真を用い色を付けたり心拍数をみせるなど進んだフェンシングのヴィジュアライズ化は、一時期のヒーロー(太田雄貴)に対する6倍のスポンサーのたまもので、それは協会ではなく太田とメディアの親和性だったと指摘する。解決策を見いだせない結論となったが、子供らに競技体験を持たせること、柔軟性のある装具と伝導性のあるジャケットによるスマートフェンシングが一筋の光だとして締めくくった。四年間スポーツと勉学の両立に走った彼女の未来にエールを送りたい。 |
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キーワード1 | フェンシング |
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キーワード2 | スポーツ中継 |
キーワード3 | 太田雄貴 |
キーワード4 | スポーツヒーロー |
キーワード5 | スポーツ観戦のデータ化 |