卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名勝野 宏史 年度2023年度
タイトル「邦ロック」の変遷とその歴史 ?Mr.Children はロックバンドなのか?
内容 時代とともに「ロック」という言葉の認識が変わっている。それは「ロック」という言葉に対する人々の捉え方や、年代によっての認識の差によって変わっているからである。では、具体的にこの「ロック」という言葉の認識はどのように変動しているのか、ロックバンドであるMr.Childrenを具体例にその変遷について説明する。
 「ロック」という言葉を説明していく上で、混乱を招きやすい「J-POP」という言葉が誕生したことで、音楽ジャンルの混乱が起きた。基本的には「流行歌」という認識によって分類されることが多いが、この分類もまた音楽を聴く人の恣意的な考えによって分類される。
 では、「Mr.Childrenはロックバンドなのか」という問いに対しては、「ジャンルとしてのロック」と「概念としてのロック」の2つの目線から考えてみる。ジャンルとしてはポップなメロディーやファンの好むミスチルの音としては「J-POP」に属するかもしれないが、ミスチルが時折見せる音楽に対する反逆の姿勢は「ロック」と呼んでもいいのかもしれない。
講評 今年度は多様なテーマからなる16の卒業論文が提出され、大きくは以下のカテゴリーに分けることが出来た。1.ポピュラーカルチャー(ファッション・音楽)2.テクノロジーと社会・文化変容(AI・アート・ゲーム・プラットフォーム)3.表象・イメージ(ジェンダー・人種・地方・国家・宇宙)4.消費社会・新自由主義(アイデンティティ・消費行動)。興味深いことに、最終の口頭試問において明らかとなったのは、ほとんどの論文が何らかの形で「変容」「つながり」「存在の不安」という問題意識を有しているということであった。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその分析の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。個々それぞれが独自のテーマに着目しながらも、上記のような共通の問題意識を共有することが出来たことは、ゼミ全体での議論を通じてそれぞれの研究が豊かになったからではなかろうか。今後の進路においても、この経験が各自の思考や表現の基盤となり、より幅広い視野で社会に貢献していく素地を築いたと信じている。コロナ禍での入学となり、様々な形の不安や不便があったにもかかわらず、その間蓄積してきた知識と経験を結集させ各論文を完成させた学生たちの努力と成長に心からの敬意を表します。
キーワード1 ロックンロール
キーワード2 J-POP
キーワード3 音楽ジャンル
キーワード4 音楽史
キーワード5 Mr.Children