学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 勝野 宏史 | 年度 | 2023年度 |
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タイトル | 柔軟剤の香りの多様化から見る香りによる自己表現 |
内容 | 本研究は、柔軟剤が日本の市場に登場した1960年代から現在までの期間に着目し、その期間の社会的動向や文化的な視点から、香りを訴求した柔軟剤の登場、柔軟剤の香りの多様化は、個人のアイデンティティ形成とどのような関係があるのかを、日本人の香りに対する意識、現代における消費行動や香りによる自己表現のあり方の分析を通して明らかにすることが目的である。 香りは、その人のイメージを周囲に印象付ける際に重要な手段となる。特に日本では、周囲の環境に配慮した香りが好ましいとされ、清潔で控えめな柔軟剤の香りは急速に受け入れられた。多種多様な香りを展開する柔軟剤市場により、人々は、香水よりも手軽に自身の好きな香りを日常生活に取り入れ、周囲を不快にさせない程度の範囲の中で香りを身にまとうことを可能にしている。また、柔軟剤の使用は、周囲への清潔感のアピールにもつながっていると考えられる。 |
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講評 | 今年度は多様なテーマからなる16の卒業論文が提出され、大きくは以下のカテゴリーに分けることが出来た。1.ポピュラーカルチャー(ファッション・音楽)2.テクノロジーと社会・文化変容(AI・アート・ゲーム・プラットフォーム)3.表象・イメージ(ジェンダー・人種・地方・国家・宇宙)4.消費社会・新自由主義(アイデンティティ・消費行動)。興味深いことに、最終の口頭試問において明らかとなったのは、ほとんどの論文が何らかの形で「変容」「つながり」「存在の不安」という問題意識を有しているということであった。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその分析の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。個々それぞれが独自のテーマに着目しながらも、上記のような共通の問題意識を共有することが出来たことは、ゼミ全体での議論を通じてそれぞれの研究が豊かになったからではなかろうか。今後の進路においても、この経験が各自の思考や表現の基盤となり、より幅広い視野で社会に貢献していく素地を築いたと信じている。コロナ禍での入学となり、様々な形の不安や不便があったにもかかわらず、その間蓄積してきた知識と経験を結集させ各論文を完成させた学生たちの努力と成長に心からの敬意を表します。 |
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キーワード1 | アイデンティティ |
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キーワード2 | 柔軟剤 |
キーワード3 | 香り |
キーワード4 | 自己表現 |
キーワード5 |