卒業論文詳細

学科メディア学科 ゼミ教員名池田 謙一 年度2023年度
タイトル接客業従事者のマスクの有無による購買行動の変化の程度
内容 本稿では、接客業従事者のマスクの有無により、消費者の購買行動にどの程度、変化が生れるかを300人のアンケートを基に分析した。また、その変化の程度とコロナ流行期のメディア接触の頻度や属性(性別、年齢、居住地)との間に相関があるかも併せて調査した。その結果、およそ68パーセントの消費者が、接客業従事者はマスクを着用することが望ましいと回答し、実際にそれが原因で、しばしば購買行動を変容させると回答したのは全体の38パーセントであった。なお、購買行動の変化の度合いは、男性よりも女性のほうが大きかった。また、メディア接触が多かった人(週に4日以上接触)ほど、購買行動に変化があることも判明した。その一方で、年齢(20代、30代、40代)や居住地(都市部と地方部)と購買行動の変化の度合いには有意な差はみられなかった。なお、今回の調査は20歳から49歳を対象としており、高齢者の意見を拾いきれなかった可能性も考えられる。
講評 アフターコロナの時期にマスク着用の研究は難しいのではないかという印象を当初は持ったが、接客時のマスク着用という着眼点が良く、マスク着用の持つ意味が明瞭に浮かび上がった。年齢差や居住地の差ではなく、性差が浮かび上がる点についても興味深い。
全体として、本年の卒論は類似したテーマでサブチームを組んで研究を進めるというよりは、一般のアンケート調査は共同で実施しても、個々の研究には独自色が強かった。一般のアンケート調査も相乗りの調査が二通りとなった。また分析の結果は必ずしも仮説通りとは行かないケースが多かったものの、データの解釈に独自の視点を用いることが出来たり、付加的なアンケート、実験、インタビュー、内容分析、比較文化的アンケートといった多様な手段で論文を多角的に書くことができており、メディア研究でこれまで知られていない知見が大量に生み出された。全体として良い評価とする。
キーワード1 マスク
キーワード2 コロナ
キーワード3 接客
キーワード4
キーワード5