内容 |
企業が社会的責任(社会倫理・持続可能な発展・地域社会への貢献や人権配慮など)としての役割を主体的に果たし、社会から信頼を得ることは、今後の国際社会における企業発展の鍵といえる。こうした背景のもと、第一章ではCSRという概念について述べている。CSRとは欧米から持ち込まれた考え方であるが、その思想は本来、日本にも存在していたものである。ここでは江戸時代の商家の家訓を例に挙げているが、現代のCSRの考え方に通じるものが見受けられる。また、75%を超える企業がCSRを意識して実行しており、もはや日本ではCSRの考え方なしに企業の未来はないといっても過言ではない。第二章ではステークホルダーを重視する経営として、①顧客、②従業員、③取引先、④地域・社会、⑤投資家、の5つのパターンに当てはめ、それぞれに具体的な企業の事例を述べている。理想となる例だけではなく、CSRを意識していなかったがために起きた“失敗例”も挙げている。第三章では、実際にCSRの推進に取り組む4つのポイントとして、企業が自らのCSR活動を社会的に認知させるにはどのようにすれば良いか、またCSRを単なる理想で終わらせないために、具体的な推進方法について述べている。そして最後に、これからのCSRを“持続可能な社会”というキーワードを通して述べている。消費者の社会的責任という新しい考え方を引き合いに出し、持続可能な社会とCSRとの関係をまとめている。 |