内容 |
最近、日本で問題になっているのが社会的格差である。収入も多く裕福な暮らしをしている人がいる一方で、働いても少しの賃金しか手に入らない、安定した生活を送れないといったワーキング・プアや非正社員が急増しているのである。いわゆる貧困層の増加である。またその影響から、少子高齢化や年金問題、秋葉原の事件のような犯罪など今日の社会を賑わしている様々な問題が生じているのである。では、どうすればこういった格差のない、国民が幸せで安心した生活をおくることができるのか。本稿はこの点を、北欧の諸国から学ぼうとした。北欧諸国をモデルとしたのは、男性も女性も同等に働いており、社会保障も充実し、貧困率も低く、国民が皆、必要最低限以上の安心した生活をおくっているのが特徴だからである。制度そのものを日本が取り入れるのは難しいかもしれないが、見習うべき点は多々あると考えたからである。分析の結果、ワーク・ライフ・バランスが実現された多様な働き方やセーフティネットワークの充実等に加え、政府や企業、個々人の意識改革を行うことで格差の少ない社会が実現できることが明らかとなった。このような施策の実現によって、国民が安心して働き、ゆとりのある生活をおくることができるようになるのである。 |